札幌地下鉄痴漢冤罪事件
ナビゲーションに移動
検索に移動
札幌地下鉄痴漢冤罪事件(さっぽろちかてつちかんえんざいじけん)は、2002年に札幌市営地下鉄南北線で起きた痴漢冤罪事件である。通称札幌地下鉄事件。
概要[編集]
2002年9月27日の朝、札幌市営地下鉄南北線大通駅からさっぽろ駅間を走行中の車両において、男性Aが女性Bに対して痴漢を働いたとして逮捕された。
BはAの手をつかみ、そのまま警察に引き渡した。
警察は、Aに下半身をお尻に押しつけられ、その後左手のひらでなでられたという被害者Bの供述にもとづいて、Aを起訴した。
裁判経過[編集]
裁判では、被告人Aは、かばんを持っていた手が、電車の揺れで被害者Bと接触したことは認めたが、痴漢目的はなかったと主張。
さらに、他に近くにいた乗客の男性Cが、痴漢の真犯人である可能性があると主張した。
2003年5月9日、一審札幌地裁は無罪判決(求刑懲役四月)を下した。
判決では、被害者の供述の信用性についてある程度は認めたものの、被告が痴漢行為をしたということを直接見たわけではなく、臀部の感覚に依存していることをあげて、被害者の誤認の可能性を指摘。
さらに、弁護側が主張したCの真犯人の可能性についても、被害者と視線が合っただけで、Cが「違うよ。」と痴漢行為を否定するような言動をしたことは不自然だとして、Cが真犯人の可能性を指摘した。
検察はこの判決に対して控訴せずに無罪判決が確定した。