最後通牒課題

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最後通牒課題(さいごつうちょうかだい)とは、行動経済学において「合理性とは何か?」について調査する実験課題である。
「独裁者実験」ともいう。

概要[編集]

被験者 A と B がいる。A を交渉側とする。 A と B は初対面であり、今後も顔を合わせることはないとする。お互いの個人情報は交換されない。
A に千円を渡したとする。その「分け前」を 0 円から 1,000 円とする。
ここで、A が提示した条件を受諾するか拒否するかを B が受け入れるかどうかが問われる。
そのとき、「B が受諾しない場合に、その千円は A の懐に入る」とするならば、A は「0 円を提示する」のが もっとも経済的には合理的である。
「B が受諾しない場合には、その千円は A の懐に入る」ならば、「A は 0 円を提示し、B はそれを受諾する」のが もっとも経済的には合理的である。 では、「B が受諾しない場合には、その千円は没収される」ならば、A はいくらを提示するかという話である。
実験によれば、結果は「A は金額の二割から三割を提示する」あたりが「落としどころ」であるとされる。とはいえ、これが日本人だったら、「折半」と「ピンハネ」の間で議論になりそうに思う。

人間生活との関わり・利用[編集]

では、「交渉が決裂した場合にはサイコロを振って、その結果によって A の総取りか B の総取りかのどちらか、あるいは没収かが決まる」(なお、後払いはナシとする)場合に、サイコロの出目がどれほどなら A は いくらを提示するか?というのが最後通牒課題の応用編である。
このとき、A が「サイコロを振れ。ただし取り分は半々だから、千五百円返せ」といって千円札をテーブルに叩きつけたら?(後払いあり)という話になる。このような話は大森やら(蒲田やら葛西やら)東大阪やらではほとんど日常的に起きている事態である。 新技術の開発なんていうものは、こんなもんである。

脚注[編集]

関連作品[編集]

  • イタバシマサヒロ/岩田やすてる『ニッポン 元気者列伝』(小学館)

関連項目[編集]