新たなる殺意

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  1. 3手詰め将棋のタイトル。
  2. イギリスのバンドグループ・UFOのアルバムタイトル。参照⇒新たなる殺意 (アルバム)

本項では1.について詳述する。


新たなる殺意(あらたなるさつい)とは、伝説の3手詰め将棋である。

概要[編集]

1989年3月『詰将棋パラダイス』397号幼稚園13に発表された。作者はHN行き詰まり氏(本名・片山倫生)。

盤面配置は、▲先手7五香、7六龍、9七角、9八角(持駒なし)、△後手4四歩、5三歩、5五と、6三歩、6四玉、9四龍。(参考画像)。

・・・・さて何が伝説なのかを説明しよう。この詰将棋は3手詰めであるにも拘らず、発表時183名中98名の誤答者を出したのである! 実に半分以上。詰将棋大手4誌を見ても、この誤答率は空前絶後だといえる。では何故そんなにも誤答者が出たのか。これは単に問題が難しかった、というよりは一見簡単に見えるひっかけ問題であった、と云うところに起因する。この作品には実に巧妙な「偽作為」が存在するのである。

以下解説。まずは香車を動かし開き王手するしかない。合駒は当然無駄合なので、応手は、龍で角を取るか、玉が5四に逃げるか、の2つに一つ。後者には、やや気付きにくいが5六龍と回る手があり、やはり3手で詰む。というわけで前者の△9七龍になるが、これには1手目の香車を7三で成っておけば、▲7四龍と横っぱらに入って確保。あ、なんだ簡単ジャン。…と、当時98人が思ったわけである。

どこにも紛れがあるようには思えない、見事なまでの偽作為▲7三香成△9七龍▲7四龍。初手はと金の勢力が強いので、香を動かす開き王手しかないし、応手も合駒は有得ないので、取るか逃げるかの2つに1つ。どうみても必然に見える一連の手順だが、実は有得ないと思われた合駒が有得るのだ! すなわち▲7三香成△8六歩合▲同角△5四玉▲5六龍(心の声:よし、詰んだな...)△9八龍(!)。・・・たしかに龍と9七角の勢力からすれば、合駒など暖簾の腕押しに過ぎない。しかし9七角を移動させ、根元の9八角に射程を合わせる意味であれば、まさかの捨合が成立するのである。

正答は▲7二香成△9七龍▲7三龍。これならば、2手目△8六歩合でも矢張り▲7三龍と入って詰む。実に見事な詰将棋である。

その見事な盲点の付き方により、1989年看寿賞短編部門を受賞。当然だが過去看寿賞作品のうち最も短い手数である。