放送中継車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

放送中継車は、中継車の車検証上の形状名。テレビ・ラジオ放送での中継を行うための専用の車であり、NHK、もしくは放送法上の放送事業者、そのほか許可された者のみが所持することが出来る。「法令等で特定される事業を遂行するための[1]」特種用途自動車、いわゆる8ナンバー車のひとつ。

なお、小型かつ簡易の中継車は、8ナンバーではなく、通常のトラック等として登録する例もあるらしい。[2]

放送中継車として登録を行うための要件は以下の通り。[3]

放送法に基づく放送事業者等が、専らテレビ中継、ラジオ中継等の放送中継業務を行うために使用する自動車である
放送中継車として登録しようとする自動車の使用者が、NHK、もしくは放送法上の放送事業者である旨を示す書面(無線局免許状の写し)か、中継放送に関する教育を行う大学、テレビ・ラジオ局から委託される中継番組制作会社である、とする書面を提示する必要がある。これらに該当しない映像制作関連企業や、個人では、放送中継車を所持することはできない。
車内に中継のための設備や、調整室を設ける事
テレビ・ラジオ中継を行う車である、ということは、現場でテレビカメラ・マイクにより映像・音声を取材し、放送できなければならない。そのため、いわゆる副調整室と同等の設備、映像スイッチャーや音声ミキサー、そのほか必要に応じてテロップ装置などが車内に設けられるべきである。また、その設備への出入力端子が使用可能でなければならない。
一般に、調整室内には操作者が用いる椅子が設けられるが、この椅子は走行中に人が座ってはならない(定員に含まれない)。
放送中継地まで送信することができる送信設備等がある
ニュース報道などにみられる、いわゆるSNG中継車は、放送中継地、つまり人工衛星を経由して、テレビ局社屋まで電波を送信するため、車体上部のアンテナのような送信設備を設ける。その他の放送中継車であっても、他車や地上無線局・人工衛星に電波による映像を送信するための送信設備を設ける。
専ら(コンサート等の)収録・出張制作に使う、アンテナを装備しないような車両についても、(端子盤からの有線出力を送信設備とみなし)放送中継車としての登録が出来るか否かは、資料が無く不明。
放送中継設備を作動させるための動力源、または動力受給装置がある
中継用機材はむろん電気により動作するため、発電機、または外部電源を受けるための受電盤を設ける必要がある。基本的には車体後部などに大型の発電機を備えることとなる。燃料は独立のもの・エンジン共用のものが存在する。
発電機を備えないものでは、外部電源を受けるための端子盤を設けなければならないが、消費電力量によっては通常の商用電源を利用できず、大型の発電機や別途電源車を仕立てる必要がある。
車体の両側面には、使用者名を表示する
一辺8cm以上の文字を用いて、その放送中継車を使用する会社等の名前を、塗装などによって表示しなければならない。

参考[編集]

  1. 自動車の用途等の区分について(依命通達)自車第452号、昭和35年9月6日付依命通達、国自技第202号 平成19年1月4日付改正時点
  2. [1]
  3. 「「自動車の用途等の区分について(依命通達)」の細部取扱いについて」国自技第50号 平成13年4月6日付通達、国自整第410号 平成28年3月22日付改正時点