大丸別荘事件

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大丸別荘事件(だいまるべっそうじけん)とは、福岡県筑紫野市にある温泉旅館・二日市温泉 大丸別荘が、公衆浴場法に違反していることが発覚して起きた一連の事件である。

事件の沿革[編集]

大丸別荘は、1865年に創業し、かつて昭和天皇も泊まったという高級旅館である。
2022年8月、この旅館の宿泊客がレジオネラ症を発症。そこで県が大丸別荘の浴場を調査したところ、通常の2倍のレジオネラ属菌が検出された。
この時の調査で、大丸別荘の担当者は虚偽の管理簿を示したほか、「湯の入れ替えや塩素注入を適切に行っていた」と口頭でもうその説明をした。なお湯の入れ替えは、福岡県の条例で週一回行うことが義務付けられている。
同年11月、県が大丸別荘の浴場を再検査したところ、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出された。その時、大丸別荘側は8月の報告が嘘であることや、湯の入れ替えを年に2回しか行っていなかったことを認めた。また、同様の不適切な行為は少なくとも2019年から行われていたことが判明した。
その後大丸別荘には公衆浴場法に基づく行政指導を実施が実施され、改善が認められたため同年12月から営業を再開していた。
2023年2月28日、大丸別荘の副社長が記者会見を実施。レジオネラ菌を「大した菌じゃない」と認識していたほか、衛生面を気にする従業員の意見を無視していたことを明らかにした。
同年3月8日、福岡県は、法人としての大丸別荘とその前社長を公衆浴場法違反と旅館業法違反で福岡県警に刑事告訴した。同日、県警はこれを受理した。
同年3月12日、前社長が福岡県内の山道で遺体で発見された。すでに手書きの遺書が見つかっていることから、自殺とみられている。

レジオネラ菌について[編集]

大丸別荘の前社長は、レジオネラ菌について「大した菌じゃない」と認識していたようだが、実際にはかなり危険な菌である。レジオネラ症の進行は、非常に速いことで知られている。また、厚生労働省によれば、レジオネラ菌に感染すると、以下のような症状が出る可能性があるという。
軽症(ポンティアック熱)

  • 突然の発熱
  • 悪寒
  • 筋肉痛

など
重症(レジオネラ肺炎)

  • 全身倦怠感
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 筋肉痛
  • 38℃以上の高熱
  • 寒気
  • 胸痛
  • 呼吸困難
  • 意識レベルの低下
  • 幻覚
  • 手足の震え
  • 下痢

など

参考文献[編集]

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