和モダン
和モダン(わモダン)或いは和風モダン(わふうモダン)は近代的な(モダンな)スタイルに和の雰囲気をふんだんに取り入れた建築スタイルである。和モダンの家は「和テイストを取り入れた家」とも呼ばれる。
特徴[編集]
和モダンの魅力は日本人の美的感性を刺激する和独特の暖かくどこか懐かしいような雰囲気と近代建築の備える機能性の絶妙な組み合わせに有り、この魅力が和モダンを人気にしている。
まず、和モダンはミニマル・デザイン(WP)と呼ばれる至ってシンプルなデザインであることが多い。そもそも、家の外観からして直線が多いのだ。外に限らず内だって、具体的な装飾を除けば曲線的なデザインはほとんど見受けられないだろう。静的な直線はわびそのものであり、古来から建築に直線を多用してきた日本人の心にとってそれは安らぎとなるだけでなく、同時に直線は我々にモダンを見せつけている。そして、線が直線なだけではなく、壁の色が統一されていることも特徴で、その壁は白色、黒色、木目調、土壁、或いはコンクリート打ち放しといったシンプルなものが好まれる。
和の特徴である「間」を多く取り入れていることも特徴である。間は日本人にとって心地よい距離感を生み出すとされるが、限られた家の空間を適度に仕切るように分けられた部屋はそれぞれが大きな間を持っていたり、部屋と部屋の区別が曖昧で複数の部屋がひとつの間を形成していたりするのである。例えば、吹き抜けがある、部屋の天井が高い、障子による部屋分割をしている、などがある。
また、積極的に外部からの光を取り入れようとしていることも和モダンの特徴の一つだ。外部からの光を取り入れるために和風建築では明障子が用いられてきたが、和モダンでも同じように明障子による採光をしているものが多い。明障子によって部屋は明るすぎず暗すぎずちょうど良いくらいの、或いは場合によっては少々幽な光によって満たされる。なお、幽な光といえば、間接照明が多用されていることも特徴の一つだ。間接照明の生むほんわかした光はいかにも和であり、日本人にとって心地よい。また、明り障子を利用しない場合においては大きなガラス窓を導入するなど、モダンを演出している場合もある。
この他の特徴としては和モダンは土壁、畳、竹などの自然素材やを多く用いている点も挙げられるだろう。古くから日本の建築では自然素材が多用されてきているのでそういった和風のアイテムを導入することで簡単に和を演出できる。
このように、和モダンは和のポイントやアイテムを積極的に取り入れて我々の心に癒しや安らぎ、暖かさを与えている。
だが、ここまで読めばまるで和モダンが和そのもののように感じられるかもしれない。モダンはどこにあるのかと問われそうである。しかし、既に述べた通りモダンは和風建築にはない機能性を備えている。それは近代的台所であったり、洋式便所であったりする。近代建築による現代的な機能性の高い家にどんどん和を取り入れたものが和モダンなのである。