名探偵の奇想館

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名探偵の奇想館―迷宮事件への招待状』とは、1999年にKKベストセラーズ(ワニ文庫)から発刊された、藤原宰太郎のミステリクイズ本である。

いつもの「藤原クイズ本」の例に漏れず、多くのミステリ作品のネタバレが躊躇なくぶっこまれているため、読む際には注意が必要である。

目次+ネタバレされている作品[編集]

作品名を紹介すること自体がもはやネタバレになりそうな一部作品は、伏せ字で表記している。

見出し ネタバレしている作品
第I章 99パーセント完全犯罪
case1 高速道路の怪事件
(解説)変温動物のトリック
case2 消えた弾道
(解説)邪魔者でカモフラージュ
問題自体が、E・クリスピンの長篇『金蠅』や森村誠一の短篇『殺意の架橋』のネタバレ。
また、解説では大友瞬の短篇『妻はなんでも知っている』のネタバレ有り。
case3 キノコ料理に気をつけて
(解説)毒キノコあれこれ
case4 雪原の銃声
(解説)氷の膨張力学
問題自体が、E・D・ホックの短篇『不可能な<不可能犯罪>』のネタバレ。
case5 足跡のない絞殺
(解説)長いムチの絞殺トリック
問題自体が、栗本薫の長篇『優しい密室』や、日下圭介の長篇『笛の鳴る闇』のネタバレ。
また、解説ではジョン・ディクスン・カーの短篇『見えぬ手の殺人』のネタバレ有り。[1]
case6 眠る美女の謎
(解説)睡眠薬のトリック
case7 くわえタバコの男
(解説)トリックの盗用!?
問題自体が、A・ポージスの短篇『画家と殺し屋』のネタバレ。
case8 帰宅した靴跡
(解説)靴を返却するトリック
解説のなかで、法月綸太郎の長篇『雪密室』、北野安曇の短篇『双児神社異聞』、山口雅也の短篇『靴の中の死体』、赤井一吾の短篇『翼ある靴』をネタバレしている。
第II章 偽装トリックの盲点
case1 胃の中のラーメン
(解説)死亡推定時刻の決め手
問題自体が、E・S・ガードナーの長篇『駆けだした死体』、草野唯雄の長篇『鳴き竜殺人事件』、夏樹静子の長篇『Wの悲劇』のネタバレである。
case2 インコすり替え事件
(解説)人畜共通感染症
問題自体が、森村誠一の短篇『致死鳥』のネタバレ。
また、解説で、日下圭介の短篇『嗤う鳥』をネタバレしている。
case3 歌麿の秘画
(解説)白いタンポポの秘密
問題自体が、もりたなるおの短篇『真贋の構図』のネタバレ。
case4 首なし死体の謎
(解説)銃の指紋
問題自体が、クレイトン・ロースンの長篇『首のない女』のネタバレ。
また、解説で、西村京太郎の短篇『雷鳥九号殺人事件』やE・S・ガードナーの長篇『寝ぼけた妻』のネタバレ有り。
case5 酒場の殺人
(解説)ホールドアップの盲点
問題自体が、ドラマ『刑事コロンボ』のエピソード「ルーサン警部の犯罪」のネタバレ。
また、解説で、H・スレッサーの短篇『恋の唄』をネタバレしている。
case6 にわか雨の殺人
(解説)引き違い窓の錯覚
case7 オニグモの巣
(解説)クモの巣の密室
問題自体が、日下圭介の短篇『朝に散る』のネタバレ。
第III章 奇想のひらめき
case1 監禁室のSOS
(解説)火災報知器のトリック
解説で、I・ウォーレスの長篇『オールマイティ』や、山田正紀の長篇『妖鳥』がネタバレされている。
case2 恐怖のヒッチハイカー
(解説)エアバッグのトリック
解説で、E・D・ホックの短篇『熱気球殺人事件』、佐々木幸哉『狼どもの密室』、(重大なネタバレ)J・スラデックの長篇『見えないグリーン』がネタバレされている。
case3 猛犬に、ご用心!
(解説)結び目のちがい
解説で、D・ローンの長篇『復讐の残響』、阿部智の長篇『復讐の海線』、草野唯雄の長篇『鳴き竜殺人事件』、ドラマ『刑事コロンボ』の「自縛の紐」がネタバレされている。
case4 片道だけのゲタの跡
(解説)力士のすり足
解説で、大阪圭吾の短篇『幽霊妻』や江戸川乱歩の『黒手組』のネタバレ有り。
case5 フクロウを飼う怪盗
(解説)ダチョウの密輸作戦
解説で、西東登の長篇『熱砂の渇き』がネタバレされている。
case6 入れ替わった双子
(解説)金持ちの死は高くつく
問題自体が、杉山冴子の短篇『双児の姉妹』のネタバレ。
また、解説で、甲賀三郎の短篇『青服の男』、北村薫の短篇『覆面作家のお茶の会』に触れている。
case7 ジャンプする怪盗
(解説)恐怖のハイジャック
解説で、赤川次郎の短篇『三毛猫ホームズの水泳教室』、H・ポーターの短篇『死のジャンプ』をネタバレしている。
余談だが、吉村一伸の傑作パズル本『7日間のクイズ狂』(1987年)に同様の問題がある。
case8 謎の救命具
(解説)バラバラ死体の合成
問題自体が、倉知淳の短篇『海に棲む河童』のネタバレ。
また、解説で、島田荘司の長篇『占星術殺人事件』の重大なネタバレが書かれている。
第IV章 あばかれた犯人の正体
case1 ヒマワリはどちらを向く?
(解説)花のトリック
case2 霊園の死体
(解説)植物のメッセージ
解説で、アガサ・クリスティの短篇『四人の容疑者』をネタバレしている。
case3 熱帯植物園の殺人
(解説)花粉のトリック
解説で、森村誠一の短篇『死媒樹』をネタバレしている。
case4 対岸の火事
(解説)ゴルフ・ミステリー
解説で、E・ベントリーの短篇『すばらしいショット』、B・コークの長篇『フェアウェイの悩める警部』、高橋泰邦の長篇『サドンデス』、斎藤栄の長篇『ゴルフ場殺人事件』をネタバレしている。
case5 カタカナの謎
(解説)809は殺しの番号
case6 謎のイニシャル
(解説)死の伝言
解説で、E・クイーンの短篇『Eの殺人』をネタバレしている。
case7 革ジャンパーの男
(解説)世紀の誘拐事件
第V章 不可能犯罪トリック
case1 奇怪なシュプール
(解説)スキー・ミステリー
問題自体が、都筑道夫の長篇『最長不倒距離』や、はやみねかおるの『魔女の隠れ里』のネタバレ。
case2 黒と白の死体
(解説)死亡推定時刻の狂い
解説で、松本清張の短篇『水の肌』のネタバレと、柄刀一の長篇『三〇〇〇年の密室』のあらすじ紹介(ネタバレではない)が行われている。
case3 消えた足跡
(解説)地震のトリック
case4 空っぽの死体
(解説)潜水のトリック
問題自体が、津島誠治の短篇『宇宙からの物体X』のネタバレ。
また、コラムでは、青柳友子の長篇『スキューバ・ダイブ殺人案内』がネタバレされている。
case5 鉄橋から落ちた女
(解説)死体の十字架
解説で、辻真先の長篇『十和田湖畔に死体が踊る』、A・リースの短篇『死人の指』、S・フォレスターの短篇『ひき潮』がネタバレされている。
case6 火の玉屋敷の怪事件
(解説)静電気のトリック
解説で、山村美紗の長篇『燃えた花嫁』がネタバレされている。
case7 三色ワインの毒殺
(解説)毒味のトリック
問題自体が、由良三郎の短篇『ある化学者の殺人』のネタバレである。
case8 セクハラ医師の怪死
(解説)密室の水死体
解説で、藤村正太の短篇『妻恋岬』がネタバレされている。

脚注[編集]

  1. いや、もう、解説のタイトルからしてこの記事で紹介すること自体がネタバレなのであるが...。幸い、カーの作品のなかで大して出来のいいほうではないので、ショックを受ける必要はない。

外部リンク[編集]