名古屋市小学生詐欺事件

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名古屋市小学生詐欺事件は、2024年1月に発覚した愛知県名古屋市守山区の小学校で起きた児童間の金銭トラブルである。小学5年生の男子児童が同級生3人から、4か月間で総額93万円もの現金をだまし取られていた。[1]

事件の概要[編集]

被害児童の父親によると、2022年11月から2023年2月にかけての4か月間で、息子が同級生3人から"名古屋港水族館のメダル"を「大手貴金属店で作らせた純金製のもので金の価値は上がり続ける」と言われて渡されたり、"カナダ10ドル札"を「プラスチック製で透かしのある珍しい紙幣だ」などと持ちかけられ、計8回にわたって合計93万5千円を支払った。金銭の受け渡しは小学校内のトイレの個室内で行われていた。 [2]

被害児童は過去に加害児童らから「お前ん家、貧乏なんだろう」などと馬鹿にされたことを見返すつもりで、「100万円の貯金がある」と話したことがあり、自宅にタンス預金として貯めてあったお金を持ち出して支払っていた。お金は生まれてからその時に至るまで親戚などからのお年玉や祝い金などであった[3]

事件発覚後の対応[編集]

被害児童が2024年1月に父親に「お父さんに話さなきゃいけないことがある」と相談したことで事件が発覚し、父親が2月に警察に被害を申告した。被害児童の父親から学校側に「学校内で起きた犯罪行為の説明を保護者や生徒達にすべきではないか」と再三の提案があったが行われず、3月のマスコミ報道後に学校で緊急の保護者会が開かれた。学校側からは「中学受験シーズンのため事実関係の確認が出来なかった」「当該家庭同士に任せていて学校から能動的な動きが不足していた」などの説明がなされたが参加した保護者は「学校側からの説明は納得できる内容ではなかった」と話していた。[4]

警察は加害児童らから事情を聴き、詐欺罪に該当するかどうか慎重に捜査を進めている。触法少年の事件であることから児童相談所への送致、家庭裁判所での審判となる可能性も視野に入れ、関係機関と連携して対応している。 [5]

社会的影響と教訓[編集]

この事件は、子どもたちを取り巻く金銭問題の深刻さを浮き彫りにした。保護者や学校は、子どもたちにお金の大切さを教え、早期から適切な金銭感覚を身につけさせることが重要だと指摘されている。[6]

学校側の対応の遅さや甘さも識者たちから強く指摘された。一方で詐欺行為の手口が巧妙であり、知的犯罪の低年齢化に対する懸念も広まった。

また、学校におけるいじめやトラブルへの対応の難しさも明らかになった。被害児童は長期間にわたって学校内で犯罪行為を受けていたが学校側は気づくことがなかった。学校側は児童間のトラブルに早期に気づき、適切な対応を取ることが求められている。