吉祥文様
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吉祥文様(きっしょうもんよう)とは、縁起がいいとされる文様をいう。ラーメン丼などの中華食器などによく入っている。異なった文化圏では意味するところが違うこともあるので、海外での使用・着用においては注意が実用となる。
概要[編集]
- 雷紋 - 新石器時代にバルカン地方のドナウ川流域のトリポリエ文化・ディミニ文化において土器の装飾文様として始まったという。やがてアッペンニーノ山脈文化に引き継がれ、ギリシアの幾何学紋様として開花した。 各種あるため、いわゆる「ラーメン文様」はじつは世界的にみるとマイナーであるらしい。
- 双魚 - ケツギョ(鱖魚、桂魚、Siniperca chuatsi)とみられるが、詳細は不明。ナイル河などに住むパーチに似ており、日本にはオヤニラミやアカメなどが近いように見える。似た魚としてはブラックバスなどが知られる。キリスト教では魚は一匹でキリストの象徴とされるが、単なる語呂合わせなので何の魚かはわからない。
- 双喜紋 - 「喜」を二つ並べたもので、「喜喜」を図形化してものである。
- 倒福 - 「福」の字を逆さにしたもの。赤い正方形の紙などに対角線を上下として「福」の文字を記し、逆さにして掲示することが行われる。かつてティーガー戦車に「倒福紋」を記したものがあり、小林源文の『ハッピータイガー』のモデルとなった。
- 蝙蝠 - ただしヨーロッパでは不吉なものとして避けられる。
- 瑞雲 - いわゆる「彩雲」の一種だが、詳細はいまのところ明らかにはなっていない。薄い六角柱型の結晶が降ってきたところに日光が当たり、プリズム現象によって色が分かれる。「虹」とは異なり、太陽との角度とは異なった位置にあるため、珍しい。
- 麒麟 - 瑞獣のひとつ。霊獣。キリンビールの商標。「ドドンゴ」(「ウルトラマン」に登場する怪獣)の別称あり。
- 竜 - 俗字の「龍」が用いられることも多い。凧の図柄にもされるため、かつての総理大臣であった橋本龍太郎氏の幼少時のあだ名は「タコ」であったという(なお、「タコ」は江戸方言で、「ハタ」「イカ」「イカノボリ」などが全国的である)。上り竜と下り竜があり、指の数や珠を持っているかで違う。なお、書道における筆起は通称「アンギラス」である。怪獣アンギラスは映画『ラドン』に登場。ニホンウナギの学名「アンギラ・アンギラ」から。
- 鳳凰 - 雌雄の差があるが、一方だけを用いることも多く用いられる。
- 丹頂鶴 - 松の木に留まっていることもあるが、あれは意匠。丹頂鶴の足は木に留まるようにはできていないため、本当はコウノトリである。「鴻巣」の地名もある。
- 蓑亀・緑毛亀 - 中国では亀が嫌われることもある。
- 鯉の滝登り - 出世祈願だが、西欧では鯉は貪欲だとされて嫌われることもある。
- 朝の葉 - 「丈夫ですくすくと育つ」ところから、産着の柄とされる。ただし、「麻のように乱れる」「快刀乱麻」という言葉もあるため、礼儀を重んじる場面では遠慮したい。
- 扇 - 「末広がり」から。弔事では避ける。
- 唐草文様 - 「アラベスク」である。日本には「蛸唐草」や「葡萄唐草」もある。布団用の大型の風呂敷の柄としても知られる。
- 籠目 - 魔除けとされる。いわゆる「蟲物」(まじもの)の一種。
- 家守(ヤモリ) - 「家守(家を守る)」と書いて縁起が良いとされる。中国語でヤモリは「壁虎」であり、「虎」と「福」の発音が似ていることもあって臺灣などのような漢字圏でも同じように「家にいると縁起が良い」と言われている。ただし、トッケー・ゲッコーなどは(尻尾を除く)胴長十五センチくらいあり、しかも鳴くので、ペットとして飼うと世間体が悪い部分がある。とはいえトカゲモドキ[1]は愛好者も少なからずいる。
不吉な文様[編集]
- 六道銭 - 三途の川の渡し賃。武士が「いつでも死ぬ気はあるぞ」というメッセージである。
脚注[編集]
- ↑ いや、ヤモリはトカゲの一種です。