南の空
『南の空』(South Side of The Sky)は英国のロックバンド、イエスが1971年に発表した曲。アルバム「こわれもの」のA面4曲目に収録され、レコードでの演奏時間は7分58秒。
概要[編集]
イエスの曲の中でもひときわロック色が強く、イントロは風の音から始まり、軽快なドラムの乱れ打ち、硬質なギターとベースのオブリガートに緊張感あるドラムが絡むメインの曲想と、その間にピアノソロとコーラスが挟まれるという変わった構成の曲となっている。普段はクリーンなトーンのスティーヴ・ハウのギターも珍しく太めのトーンで絡んでいる。
ジョン・アンダーソンの持ち寄った歌詞と簡単なギター弾き語りの原案にクリス・スクワイアがベースでリフを付け、加入したばかりのリック・ウェイクマンがピアノソロ部分を作曲したが、リックは契約の都合上ノンクレジットとなった。またロジャー・ディーンによるこの曲のためのイラストも描かれており、それを見ると予想以上の急勾配に眩暈を起こすこと請け合い。
歌詞[編集]
登山で遭難してあの世に逝ってしまう内容の歌詞ではあるが、ジョンは「眠りは死の妹である」という甘美なフレーズに触発されて書いたとしている。人生という山を多数の困難を伴いながら登り続けて頂上を目指す過程で「生命が美しいように、死も美しい」ことを経験するといった意味らしい。「死ぬときの暖かさ」など印象的なフレーズをジョンはクールに歌い上げている。
ライヴ演奏[編集]
1971年9月24日から始まった「こわれもの」英国ツアーの最初期数日間のみ中間のピアノとコーラス部分を除いたアレンジでアンコール演奏されたが、なぜかその後はセットから消え、70年代を通してほとんど演奏されることはなかった。[1]2002年以降は「フル・サークルツアー」など折に触れて演奏される機会が増え、曲後半でのリックとハウのバトルが見物となった。
脚注[編集]
- ↑ パトリック・モラーツを擁した1974年のツアーでも何度か演奏されたと思われる。