人間拡張

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

人間拡張(にんげんかくちょう、英:Human Augmentation)は情報技術やロボット技術などを用いて人間の能力を拡張・増大させることをいう。主として工学技術を用いて拡張する方法がある。関連語に「人間拡張工学」がある。

沿革[編集]

古くは、マーシャル・マクルーハンが1994年に『人間拡張の原理』を刊行し、メディアは人間拡張を行うことを論じた[1][2]。メディアを単なる媒介物ではなく、人間の能力を工学的・社会的に拡張するものと考えた。例えば、マクルーハンはメガネや顕微鏡は目を拡張するためのメディアとしている。コンピューターは人間の脳を拡張するメディアと考えている。

また、2007年には東京大学大学院情報学環 暦本研究室が誕生し、「ヒューマンオーグメンテーション学(人間拡張学)」を研究している[3]。暦本教授は日本で最初に人間拡張学を提唱した。

2010年に人間拡張の国際会議がフランスで開かれ[4]、2016年から論文誌が刊行され始めた。拡張知能を英語でオーグメンテッド・インテリジェンス(Augmented intelligence(拡張知能))と称する場合もある。

2018年11月1日に国立研究開発法人産業技術総合研究所に「人間拡張研究センター」が設立され、運動機能拡張研究、共創場デザイン研究、サービス価値拡張研究、生活機能ロボティクス研究、スマートセンシング研究、スマートワークIoH研究、認知環境コミュニケーション研究などを行っている[5][6]


東京大学先端科学技術研究センターでは稲見昌彦教授が、工学技術により、人間の身体そのものをメディア化する技術を開発しており、マクルーハンの提言を実現しつつある[7]

注・参考文献[編集]

  1. マーシャル・マクルーハン、後藤和彦訳(1967)『人間拡張の原理』竹内書店
  2. Marshall McLuhan:"Understanding Media: The Extensions of Man" The MIT Press; Reprint版、ISBN-10: 0262631598
  3. Rekimoto Lab暦本研究室、2019年2月25日
  4. Proceedings of the 1st Augmented Human International Conference
  5. Human Augmentation Research Center産業技術総合研究所
  6. 新たな研究拠点「柏センター」を設立産総研、2018年10月2日5
  7. 身体拡張という名のエンタテインメント