モルフィ公爵夫人

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モルフィ公爵夫人』は、イギリスの劇作家ジョン・ウェブスターの戯曲。『白魔(白い悪魔)』と並んで、二大悲劇と称される。

劇中の一節[編集]

女の顔をおおえ
目がくらむ
彼女は若くして死んだ

このセリフは、イギリスの女流推理作家P・D・ジェイムズのデビュー作『女の顔を覆え』のタイトルの由来になっている。また、ジェイムズの代表作『皮膚の下の頭蓋骨』は、『モルフィ公爵夫人』の上演準備中に事件が起こるという筋書きになっている。

アガサ・クリスティーの『スリーピング・マーダー(ミス・マープル最後の登場作品)でも、重要なキーワードとなっており、ヒロインのグエンダはこの台詞を聞いたことがきっかけで幼い頃の殺人事件を思い出すこととなる。また、『五匹の子豚』でも引用されている[1]ことを考えると、よほど当時のイギリス人にとって一般教養的な作品だったのだろうか。

脚注[編集]

  1. 早川書房 クリスティー文庫版(ISBN 415130021X)では180ページ。ポアロの心の中のセリフとして引用。少々気づきにくいが、(ややネタバレのため伏字)ラストシーンでのエルサの台詞「わたしが死んだのです……」と呼応していることを考えると、本作においても重要な意味をもった台詞である。(ここまで)