シモクレン

シモクレン（紫木蓮（シモクレン），simokuren）は これ、モクレン目（もく） モクレン科（か） モクレン属（ぞく）の 木（き）の 一（ひと）つである。秋（あき）に なると すべての 葉（は）が 落（お）ちる 落葉樹（らくようじゅ）である。高（たか）さは 1杖（ひとつえ）（＝3メートル）から 5公尺（ごこうしゃく）（＝メートル）ほどに なる 亜高木（あこうぼく）である。４月（しがつ）の 暮（く）れの春（はる）ごろになると 枝先（えださき）に、濃（こ）い 赤紫色（あかむらさきいろ）をした ６枚（ろくまい）の 花（はな）びらを 持（も）つ 卵型（たまごがた）の 花（はな）を 上向（うわむ）きに 大（おお）きく 咲（さ）かせる。但（ただ）し、濃（こ）い 赤紫色（あかむらさきいろ）をしているのは 花（はな）びらの 外側（そとがわ）だけであり、花（はな）びらの 内側（うちがわ）は 白色（しろいろ）である。春先（はるさき）の つぼみの とがった 先（さき）は 必（かなら）ず 北（きた）を 向（む）いているため、山（やま）の 中（なか）においても 北（きた）を 示（しめ）す 目（め）印（じるし）となる 「方（ほう）向（こう）指（し）標（ひょう）植（しょく）物（ぶつ）」とされる。木（モク）ラニとも いう。

その 名(な)の 因(よ)って 来(き)たる 言(い)われ

元元（もともと） ただ 「モクレン（木蓮（もくれん））」と 言（い）った 場合（ばあい）には すなわち この シモクレンのことを 指（さ）していた。しかし、シモクレンに 先立（さきだ）って 仲（なか）の春（はる）の 3月（がつ） 半（なか）ばごろから 花（はな）が 咲（さ）き始（はじ）める 「ハクモクレン（白木蓮（はくもくれん））」という 木（き）も、この シモクレンの ほかに 有（あ）る。こちらは 高（たか）さが ５杖（いつつえ）（＝およそ15メートル）ほどにも 伸（の）びる 高（こう）木（ぼく）であり、亜（あ）高（こう）木（ぼく）である シモクレンとは 異（こと）なる 木（き）である。しかし 世（よ）に 広（ひろ）く 知（し）られているのは、元（もと）元（もと） モクレンと 呼（よ）ばれてきた シモクレンよりも、むしろ ハクモクレンの 側（がわ）である 。そのため、ハクモクレンの 側（がわ）を 「モクレン」と 思（おも）い込（こ）み、 そう 呼（よ）ぶ 人（ひと）も 少（すく）なくない。こうして、ただ 「モクレン」と 言（い）うだけでは どちらのことを 指（さ）しているのか 紛（まぎ）らわしくなってしまった。そこで 今（いま）では、紫（むらさき）色（いろ）の 花（はな）を 咲（さ）かせる 亜（あ）高（こう）木（ぼく）の モクレンの 側（がわ）を あえて 「『シ（＝紫）』モクレン」と 呼（よ）ぶことによって ハク（＝白）モクレンの 側（がわ）との 違（ちが）いを はっきりさせることが 多（おお）い。

文（ぶん）化（か）

日本（にほん）では 「紫木蓮（シモクレン）」は 「木蓮（モクレン）」と 共に 仲春（ちゅうしゅん）、つまり 仲（なか）の春（はる）（啓（けい）蟄（ちつ）［3月6日（さんがつむいか）ごろ］から 清（せい）明（めい）の 前（まえ）の 日（ひ）［4月4日（しがつよっか）ごろ］まで）の 季（き）語（ご）と されている。又（また）、日（にっ）本（ぽん）放（ほう）送（そう）協（きょう）会（かい）（ＮＨＫ）は、日本（にほん）の 季（き）節（せつ）に 合（あ）わせて この シモクレン（モクレン）の 花（はな）を 4月（しがつ）の 13日（とおか あまり みっか）の 「誕（たん）生（じょう）日（び）の花（はな）」としている。そして その 花（はな）ことばは これを 「自然への愛」 及（およ）び 「恩恵」としている。