マップの端
マップの端とは、近年のビデオゲームにおける「オープンワールド」を採用した際に起きる一つの現象と、クリエイターたちによる腕の見せ所である。
概要[編集]
古くからフィールドマップを採用しているゲームでも起きうる問題だが、オープンワールドやオープンフィールドを採用しているゲームではマップの端っこに到達する場合がある。
ほとんどの場合、その端っこに到達するはるか手前までしか移動できないようになっているが、海や空中を移動できる手段がある場合は地形を無視してその先まで進むことが出来るため、その処理をどうするかが1つの問題になりうる。
そしてシステム的な考えだけでなく、世界観を壊さない程度に理由を付けるという作業も必要となるため、どうするべきかを考える必要がある。
解決方法[編集]
先に進めなくする[編集]
比較的よくあるオーソドックスな解決手段で、システム的に「これ以上は進めません」と冷めたメッセージで表示するだけで対応することも少なくない。(『ブレスオブザワイルド』)
少し前まではそのメッセージも無く、ただそこに透明な壁があって移動出来ない仕様となっていたため、まだメッセージが出るだけありがたいのかもしれない。
とはいえ、世界観をぶち壊す違和感全開の解決方法であることに間違いはない。そこで先には進めないもっともらしい理由を作ったり、実質的にその先へ進めなくするという手段も講じられている。
これらは端っこに到達したら作動することもあるが、端っこに到達する前にそれを作動させて端っこにすらいけないような構造にする場合もある。
- その先は活動範囲外なので戻ってこいという世界観に準じたメッセージや会話などのやり取りを入れる(『ザ・クルー』でアメリカとメキシコ国境でその会話が出現したり、『シルキーリップ』で「この先の街にはときめきを感じないわ」のメッセージを出すなど)
- 外に出ようとすると何らかの力で端付近まで戻される(強制的に端っこから脱出させる手法、舞台がファンタジー化しているとそうした神の力的なものも違和感なく入れることが出来る)
- ペナルティ的な仕掛けを設けて実質的に行くことができないようにする(外は猛毒の世界で出た瞬間に即死する仕様になっていたり、『GTAV』では無敵チート貫通のサメが出現して食い殺すという演出がなされている)
- 端っこに到達する前に行けないような地形や設定を追加する(端っこに近づくと空中であれば暴風によって強制的に方角を変えさせられたり、古いゲームであれば進行不能の山などの地形を作ってどうやっていけないようにするなど)
なお、『ニード・フォー・スピード』や『GTA』などでは「最初に移動できるエリアそのもの」が制限されているパターンも多く、『GTA』ではその制限の理由も実際にありそうな設定で封鎖するという細かい芸も見せている。
(『ドラクエ』などのゲームでも「魔物があまりにも強すぎて現在閉鎖中」として制限したりすることもあるが、現実世界をベースにしている『GTA』ではモデルとなった場所に因んだ設定がなされている)
また『エースコンバット』などの戦争を扱うゲームでは「作戦区域」や「戦闘区域」としてエリアそのものを狭めているため、こちらも違和感ないように作られている。
ループさせる[編集]
地球は球体なのだからループさせるのが普通だろということで、マップを超えたらそのままループするという解決手段。ループさせても違和感のない地形を作り込む必要があるが、先に進めないよりかは明らかに違和感は減るようになっている。
これは『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のRPGではもはや当たり前の処理と言われており、それをベースにした『RPGツクール』などのゲームでもループ処理を行うことが出来る。
近年の3Dゲームでは「3Dのオープンフィールドを用意する」という辛すぎる作業が存在しているため、ループさせるよりも先に進めなくして容量や処理を少しでも抑えようとする傾向がある。
特に地球にある地形を全て再現しようとしたら端っこが海で全部囲みこれずに陸地が存在しているのなら、何らかの理由でその先に進めなくしないと逆に違和感が発生しかねないという事情もある。
ちなみにクローズドフィールドなゲームでも『パックマン』のようなループトンネルを採用して、左端から右端、またはその逆へ行けるトンネルを作る場合もある。