ピッチベンド

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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ピッチベンド(pitch bend)とは、音程を滑らかに変化させるもの。鍵盤で音を出したときに、音高(ピッチ)を上げ下げする効果がある。鍵盤では、12平均律=半音単位によってオクターブを区切っているものに対し、ドより高く、ド#(レ♭)より低いような微妙な音高の存在で、チューニングと同様である。

コントローラーでは、ホイール式の形状で、これを「ピッチベンドホイール」という。

ピッチベンドホイールを上下に動かしたときに変化する音程の幅を、半音単位で設定するのを「ピッチベンドレンジ」という。ピッチベンドレンジが2の場合、基本音がC3の場合、下はBb2(A#2)、上はD3までの幅となる。ピッチベンドレンジを12に設定した場合、ピッチの変化幅は、上下とも1オクターブとなる。ピッチベンドレンジが12では、基本音がC3の場合、下はC2、上はC4までの幅となる。ピッチベンドレンジは、デフォルトでは2になっている。

ピッチベンドの入力方法では、データの値は、-8192~0~+8191の16384段階=14ビットある。中央を0とし、下に最小-8192、上に最大8191の値で設定され、精細なピッチ変化が可能となる。連続的なピッチの上下変化に対応したMIDI情報のことである。ピッチベンドレンジが12に設定されたときのピッチベンドデータの値は、各半音のピッチベンドは、8192÷12=約683ずつである。-8192の時に1オクターブ下、+8191の時に1オクターブ上となる。

機能がピッチベンドと同じコントロールチェンジは、グライドがある。

ピッチベンドの役割は、電子楽器で、ピッチベンドレンジを-12の-1オクターブに設定して楽器音を鳴らすことにより、周波数の帯域制限と倍音の上限が測定できる。ピッチベンドレンジを+12の+1オクターブに設定することにより、コントラバスの音域の範囲の音に基音のエネルギーがあるかないか確認できる。ピッチベンドレンジを±12の±1オクターブにすることにより、基音と倍音の周波数成分の割合を確認できる。

ピッチベンドの変更は、Wavepad 音声編集ソフトで、「速度とピッチを変更」の設定と同じになる。

DTMでは、サイン波リードの音色の設定では、各倍音の入力に使われる。倍音の入力時、サイン波リードが無い場合は、オカリナで代用する。