ピクシブ百科事典
ピクシブ百科事典(ピクシブひゃっかじてん)とは、ピクシブ百科事典制作委員会が運営する、参加型オンライン百科事典サイトのことである。運営者は「ピクシブ百科事典制作委員会」[1]。
概要[編集]
公式のヘルプによれば、「pixivのタグについて、記事を作成できるサービス」とのこと[2]であり、漫画、アニメ、ゲームに関連した記事が多い。かつては、タグの存在する記事しか執筆できなかったが、改善の結果、タグの有無にかかわりなく記事が書けるようになった。記事本文は簡単に締められる場合が多い。寧ろタグの方が優先される。ピクシブ百科事典に記事が作られているpixivのタグには、 P のようなアイコンが付属し、記事へのリンクがつけられている。
特にオタクコンテンツに強く、小ネタなどがまとまっている。
歴史[編集]
2009年11月10日よりpixpedia(ピクペディア)という名称でサービスの提供を開始した。2010年、現在の名称に変更し、同年にはモバイル版が公開されている。
2011年6月30日に大幅な変更、一新が行われた。
- サイトデザインが大きく変更
- 動画の貼り付けが不可能に(後に復活)
- 掲示板の書き込みが削除不能
- リニューアルに伴う不具合発生
- 運営がピクシブ百科事典制作委員会となる
快く思わないユーザーや不満を持つ者も一部いた。
初期は内輪ネタが多かったが、その後ニコニコ大百科にならったカジュアルな百科事典が目指されるようになった。その後ニコニコの衰退に伴い、無料で使えるこちら側への移住がみられる。
2023年3月、ガイドラインが正式に発表された。
記事の構成[編集]
記事は「記事タイトル」「記事タイトルのよみがな」「メイン画像」「概要」「親記事タイトル」「カテゴリー」「記事本文」からなり、「親記事タイトル」を除き、いずれも必須である[2]。
記事タイトル[編集]
記事タイトルには、ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベットをはじめ、あらゆる文字が使える。MediaWikiでは鬼門なC#や[[__]]もちゃんと記事名にできる。ただし、一度その記事タイトルで立ててしまうと、利用者は変更(移動)できず、運営も一々応対しない。当然、同一記事名の異なる記事は存在できない。そればかりか、記事名のアルファベット部分についても、大文字小文字を区別しないため、「wIkipeDia」という記事を作ってしまうと「Wikipedia」という記事を別で作ることができなくなる。同様に「日本語版wIkipeDia」という記事を作れば「日本語版Wikipedia」は作れなくなる。
なお、pixivのタグは、半角スペースが使えない、全角英数字や一部の全角記号が使えないなどの制約があり、これらの文字を含んだ記事を作ってしまうと、pixivとの連携が一切取れない残念な記事となってしまうため、推奨されない。代替案として、スペースは詰める(例: pixivdic:WindowsVista)か、下線で代用する(例: pixivdic:Magic_of_Love)のが慣例となっている。
曖昧さ回避は、「マルティナ」等のように、記事タイトル+半角丸括弧+曖昧さ回避の内容+半角丸括弧で表現するのが慣例となっており、日本語版ウィキペディアのように、半角スペースは挿入されない。
記事タイトルのよみがな[編集]
「よみがな」とはあるが、ネタに走る記事(例: pixivdic:運営のお気に入り)も散見される。記号や曖昧さ回避の括弧内は、読みに含まないのが通例である。
メイン画像[編集]
全ての記事には、メイン画像がつく。pixivのサービス上、画像が存在することを前提として作られている。
概要[編集]
記事の冒頭部に表示され、その文字数は250字以内である。どういうわけか、ウィキマークアップは使えず、リンクも使えないため、重要関連ワードへのリンクが「関連タグ」節までないような記事も多数存在する。
親記事タイトル[編集]
ここで指定した親記事は、記事右部の「親記事」「兄弟記事」「子記事」に反映される。親記事は1つしか設定できず、共通の記事を親とする記事群を「兄弟記事」、自身を親とする記事群を「子記事」として表示される。親記事タイトルのみが、記事要素で必須ではない。親記事が1つしか存在しないことから、(親記事が設定されていない記事を除いた)記事群はツリー構造をなしていると考えることができる。
カテゴリー[編集]
「アニメ」・「マンガ」・「ラノベ」・「ゲーム」・「フィギュア」・「音楽」・「アート」・「デザイン」・「一般」・「人物」・「キャラクター」・「セリフ」・「イベント」・「同人サークル」の中から最大3つまで選ぶことができる。カテゴリに入った記事はこのように縦覧することができる。ただ、数万記事が収録されているピクシブ百科事典において、このカテゴライズは貧弱と言わざるを得ず、全く機能していない。
記事本文[編集]
記事本文では、ウィキマークアップが使用できる。ただ、MediaWikiやニコニコ大百科のようにHTMLやCSSが自由自在に使えないどころか、背景色・文字色の色付けなどもできないため、簡素な出来となる。
編集内容[編集]
それぞれの編集に対しては、「変更した内容が把握できる編集内容」をつけて、どのような編集を行ったのか、わかるようにしなければならない。嘗ては、空白でも問題なかったが、2017年現在は5字以上という制約がある。これを欠くと、投稿できないのはもちろん、プレビューすらできない。
ウィキマークアップ[編集]
ピクシブ百科事典では、HTML要素やCSSは使えず、ウィキ記法のみによって文書が構成されている。記法は主にPukiWikiと共通しているものの、太字・斜体やテーブルの見出しセルなどに違いがみられるほか、プラグインには対応していないため表現の幅が少ない。使用可能なウィキマークアップは以下の通り。
*見出し名
- “*”に続く文字をh2要素の見出しとする。行頭でしか使えない。MediaWikiでは、
==見出し名==
に相当する。 **見出し名
- “**”に続く文字をh3要素の見出しとする。行頭でしか使えない。MediaWikiでは、
===見出し名===
に相当する。 ***見出し名
- “***”に続く文字をh4要素の見出しとする。行頭でしか使えない。MediaWikiでは、
====見出し名====
に相当する。 **太字**
- “**”に囲まれた文字をb要素の太字にする。MediaWikiでは、
'''太字'''
に相当する。 ***斜字***
- “***”に囲まれた文字をi要素の斜字にする。MediaWikiでは、
''斜字''
に相当する。 [[内部リンク]]
- “[[”と“]]”に囲まれた文字の記事へのリンクを作る。MediaWikiでも、同一のウィキマークアップを採用している。
[[pixiv百科のリンク>内部リンク]]
とすることで、「pixiv百科のリンク」という表示の「内部リンク」へのリンクを張ることができる。MediaWikiでは、[[内部リンク|pixiv百科のリンク]]
に相当する。[[外部サイトリンク > https://pixiv.net]]
- 表示リンクを“[[”と“>”に囲まれた文字として、“>”と“]]”に囲まれたURLへのリンクを作る。MediaWikiでは、
[https://pixiv.net 外部サイトリンク]
に相当する。なお、インターウィキのような機能はなく、また、pixivは「外部サイト」の扱いを受ける。 [pixivimage:1234567]
- pixivに投稿されている画像を、画像IDを示すことで表示することができる。画像は、一律正方形で表示され、カーソルを画像の上に乗せるとタイトルも現れる。MediaWikiでは、
[[File:ファイル名]]
に相当する。
番号なしリスト[編集]
- 項目1 - 項目2
上のマークアップは番号なしリストを作る。多階層のリストも作ることができる[3]、MediaWikiでは、
* 項目1 * 項目2
に相当する。
番号付きリスト[編集]
+ 項目1 + 項目2
上のマークアップは番号付きリストを作る。番号なしリストと同じ要領で、多階層のリストも作ることができる。MediaWikiでは、
# 項目1 # 項目2
に相当する。
テーブル(表)[編集]
|^見出し1|セル1|セル2| |^見出し2|セル3| |
上のマークアップは、“|^”と“|”で囲まれた文字を見出しとし、“|”だけで囲まれた文字をセルとする、表を作る。任意の個所を見出しとすることができる[4]が、セルの結合をはじめとする基本的な表の操作は一切できず、表現の幅は低いと言わざるを得ない。MediaWikiでは、
{| class="wikitable" |- ! 見出し1 | セル1 || セル2 |- ! 見出し2 | セル3 || |- |}
となる。
ピクシブ百科事典では、文字や背景を任意の色で表示させるウィキマークアップは持っていないため、どうしても質素な感じになってしまう。
ライセンス[編集]
ピクシブ百科事典に投稿された記事等の著作権は、投稿者自身に留保される[1]。しかし、著作権及び著作者人格権の不行使・不主張や運営側による必要に応じた使用・改変及びその際のクレジット省略が規約で定められているため、事実上投稿者は著作権を放棄しなければならない[1]。
二次利用は、ピクシブ百科事典内での非営利目的の再利用でかつ、ウェブ上に限る旨が規約で定められている[1]。
問題[編集]
- 他のWikiと違い記事の保護依頼が無いため、一度編集合戦や荒らしが発生すると(当事者の性格や編集方針にもよるが)止めるのが困難になってしまう。結果、記事自体が荒らしなどに占拠され、自由に編集できる体制が崩壊するという事態になることもある。差し戻しによる他者の編集拒否と私物化も頻発している。
- 当初若年ユーザーが多かったことを反映してか、古い記事を中心に文章が不自然なものがある。
- マークアップ言語の機能が乏しい。
- ヘイト右翼だらけになってしまったニコニコ大百科に対し、こちらはツイフェミ系左翼が増加中。
- 一方でユーザーの実年齢層が高い割に精神年齢は低い影響なのか、人物に対する敬称に「女史」が多用されている。
- ページの削除が不可能。
出典・註釈[編集]
- ↑ a b c d “ピクシブ百科事典 利用規約”. 2017年8月24日確認。
- ↑ a b “ピクシブ百科事典 ヘルプ”. 2017年8月24日確認。
- ↑
以下のようにして作ることができる。ただし、バグのために、階層を戻る際は“-”“--”などだけの行を挿入しなくてはならない。
- 項目1 - 項目2 -- 項目2-1 -- 項目2-2 --- 項目2-2-1 -- -- 項目2-3 - - 項目3
表示は、こんな感じになる。
- 項目1
- 項目2
- 項目2-1
- 項目2-2
- 項目2-2-1
- 項目2-3
- 項目3
- ↑
|^見出し1|セル1|見出し2| |^見出し3|セル2| |
とすれば、以下のように表示される。
見出し1 セル1 見出し2 見出し3 セル3