パルスオキシメーター

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パルスオキシメーター(Pulse oximetry)は、動脈血中のヘモグロビンのうち酸素と結合している割合酸素飽和度を測定する機械である。

概要[編集]

パルスオキシメーターはプローブの受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示する。透過型が一般的である。採血なしで連続的に測定できる装置である[1]。現在は医療分野で欠かせない機器となっている。血流が一定速では測定できない。また指先の冷えなどで測定部に血流が十分にない場合、マニキュアなどで光の透過が邪魔される場合などでは正確な測定ができない。パルスオキシメーターはヘモグロビン飽和度のみを測定する。

幸せな低酸素血症[編集]

97%以上が通常時の値であり、それ以下では酸素不足である。「93」以下で入院が必要である。90%を切ると呼吸不全であり、酸素療法や、場合によっては人工呼吸器療法が必要となる。新型コロナでは呼吸困難の自覚のないまま呼吸状態が悪化する「幸せな低酸素血症」があり、突然死することがある。

発明者[編集]

日本光電工業株式会社の青柳卓雄が、1972年、心臓から送り出される動脈血を測定する機器の改良中に、心臓の拍動を利用することにより動脈血の酸素飽和度を測定できることを発見した[2]。米国で手術の麻酔中の患者が酸素不足になり命を落とす医療事故が頻発したため、パルスオキシメータの有用性が注目されるようになった。LED、光ダイオード、マイクロコンピュータなど新しい技術を取り入れた小型の装置が開発された。呼吸生理学の世界的権威のセバリングハウス博士(米国)が1987年に来日して青柳氏と面会し、その後論文で紹介したことにより、青柳氏はパルスオキシメータの発明者として世界的に知られるようになった。2002年に紫綬褒章を受章し、2015年に米国電気電子学会(IEEE)が医療分野の技術革新賞「IEEE Medal for Innovations in Healthcare Technology」を日本人として初めて受賞した。

新型コロナウイルス感染症患者の病態把握において世界中でパルスオキシメータの有用性が再認識されたことから、「パルスオキシメータの開発と実用化」により、第4回日本医療研究開発大賞/内閣総理大臣賞を2020年に受賞した。2020年4月、青柳は老衰のため84歳で亡くなった。

特許[編集]

日本光電の青柳卓雄の特許申請[3]と、当時のミノルタカメラ(現コニカミノルタ)山西昭夫の特許申請はわずか3週間程度の差であった。1993年8月2日に存続期間は満了した。

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  1. パルスオキシメータとはどのようなものですか?呼吸器学会,2017年2月3日
  2. 青柳卓雄氏とパルスオキシメーター日本光電工業株式会社
  3. 「光学式血液測定装置」特許番号 特開昭50-128387,出願日1974年3月29日