ナンセンスの絵本

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ナンセンスの絵本』とは、エドワード・リアが1846年に著した絵本。

概要[編集]

マザー・グース不思議の国のアリスと並び、ナンセンス文学の三大古典ともされる。

内容は、ナンセンスな内容を含む五行戯詩で、全てa-a-b-b-aと脚韻を踏む。各詩は独立した内容で、ストーリー的繋がりは存在しない。すなわち最初の5行と次の5行と、そのまた次の5行では、まったく別の情景を謡っている。その意味では「絵本」というより「詩集」に近い。謡っている内容は正直いって意味不明なことばかりであり、「意味のある度合い」でいけば、アリス>>>絵本=マザー・グース ぐらいである。つまりアリスのほうがまだ意味が分かる。童謡を歌うような感じで、何の気なしに読むしかない。

各5行詩ごとに、リアの手による挿絵が付いており、これまた愉快でナンセンスである。リアは絵も得意なのである。オススメの読み方は、まずこの絵を見てどんなことが起きているのかを想像し、その後で詩を読んで「なるほろ、そう展開いたすますか」という楽しみ方である。真面目に謡っている内容を捉えようとすれば苦痛以外の何者でもない。それぐらい意味も他愛もない作品である。

日本語版では柳瀬尚紀氏の訳したものが有名。彼は、レトリック作品を訳させたら向かうところ敵無しな翻訳家であるが、本作でもそれは遺憾なく発揮されている。原文の意味を失わないようにしながら、日本語としてa-a-b-b-aの脚韻が成立するように訳しているのである。イヤハヤ凄いとしか言いようがない。

関連項目[編集]