ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島(DRAGON QUEST BUILDERS 2) とは、2018年12月20日にスクウェア・エニックスにより発売されたゲームソフトである。略称はドラゴンクエストビルダーズ2、ドラクエビルダーズ2、ビルダーズ2、DQB2など。対応機種はPlayStation 4、Nintendo Switch、Steam、Xbox One、Windows 10。
概要[編集]
「ドラゴンクエスト」シリーズの派生作品で、前作「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」に続くビルダーズシリーズの2作目にして最新作。ゲームジャンルは「ブロックメイクRPG」(公式サイトより)。ゲームに登場するフィールドがすべて立方体のブロックで構成されており、ものづくりの能力を持つ「ビルダー」の主人公がブロックや素材を集めてさまざまなものを作ることでストーリーが進んでいく。おおまかなゲームの流れは前作と同様だが、前作に比べてアイテム数や住民の数、ビルドの自由度、持てるアイテムの数などたくさんの要素が強化されている。DLCが3弾まで発売されており、建材などのバリエーションを増やすことができる。(機種によってはゲームを購入した段階ですでにDLCコンテンツがダウンロードされているものもある。)
世界観[編集]
ドラゴンクエストシリーズの2作目、「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」の世界がベースになっている。ロトの血を引く三人の勇者(=IIの主人公一行)によって大神官ハーゴンと破壊神が倒され、平和が訪れた世界のその後を描いている。この世界では世界の復興のために世界中にビルダーがいる設定になっていて、前作のビルダーの立ち位置とはまた違ったものになっている。また、ハーゴンは倒されているものの、わずかに生き残ったハーゴン教団の残党がハーゴンの意思を継ぎ、ビルダーを誘拐するなどして地道にビルダーの撲滅運動に邁進している。今作では登場人物のセリフの中にDQ2の地名が登場したり、購入特典の中にDQ2モチーフのかざり家具がある。(現在は無料ダウンロードできる。
ゲームのシステム[編集]
すべての世界が正方形のブロックでできている。フィールドを、主人公のビルダーを動かして冒険する。フィールドにあるオブジェクトは武器やハンマーで叩いて素材として入手できる。前作は基本的にビルダーが単独で冒険していたが、今作では拠点の外に出ると相棒のシドーがついてきてくれる。また、特定のイベント時のみ期間限定でついてくるキャラクターもいる(モンゾーラ犬、リック、アネッサ、メタッツ等)。
ビルダーの能力[編集]
ドラゴンクエストのナンバリング作に存在するパラメータ(ちからやすばやさ等)はほとんど登場せず、魔法の概念もないためMPもない。一方で、スタミナや満腹度等独自のシステムが存在している。
- ジャンプ
- 1.5ブロック分の段差を超えられる。今作では水中でジャンプボタンを押すと垂直に浮かんで泳ぐことができる。
- ダッシュ
- 今作から登場した新機能。特定のボタンを押しながら走るとより早く走ることができる。ダッシュするとスタミナを消費する。
- HP
- ヒットポイント。モンスターの攻撃を受けたり、高所から落ちると減少する。0になると力尽き、モンゾーラなどのストーリー島では拠点で、からっぽ島では山頂の神殿で、そざい島では船着き場で復活する。レベルが上がるか、レアアイテムのいのちのきのみを消費すると上昇する。
- 満腹度
- 前作に引き続き登場。前作の仕様では満腹度が0になるとじわじわ命が削られていく恐ろしいシステムだったが、今作のビルダーはいくら腹が減ってもぐったりしてダッシュができなくなるだけ。とはいえ、ダッシュが使えなくなるのは結構不便なので、ちゃんと食べたほうが良いのは言うまでもない。
- レベル
- ビルダーズシリーズとしては、今作から導入されたシステム(もとを辿れば、DQ1から存在しているドラゴンクエストシリーズにおいて最も重要なシステムのうちの一つであるが)。ナンバリング作の仕様と同じく、敵を倒せば倒すほど経験値がたまってレベルが上がっていく。レベルが上がると最大HPが成長する。また、特定のレベルになると新レシピの解放、特技の習得、スタミナが増えるといった恩恵が受けられる。ストーリー中は章ごとに最大レベルが設けられている。ストーリーをクリアすると制限はなくなり、最大のレベル99まで上げることが可能になる。
- ビルダー道具
- ビルダーが持つ特別な道具。「グローブ」「ハンマー」「かわきのつぼ」「やまびこのふえ」「リフォームコテ」「カッター」「ビルダーペンシル」「つりざお(DLC)」の全8種類が存在する。このうち、ハンマー、かわきのつぼ、リフォームコテはシナリオ進行やかいたくレシピの達成で機能が拡張される。なお、この記事では◯ボタンやAボタンで切り替えることのできる道具を「ビルダー道具」、それ以外の方法で操作するビルダー専用の道具を「スペシャルどうぐ」として解説する。
- スペシャル道具
- こちらもまた、ビルダーが使うことができる便利な道具。割り当てられた操作ボタンはそれぞれ違う。「風のマント」「まものつかいのゆびわ」「ビルダーアイ」がある。
- 武器
- 装備できるのは剣型の武器だけで、前作のビルダーは装備できた斧やこんぼうは今作でシドー専用の武器となった。レベルが上がると自動的に回転斬りを覚える。また、剣では倒せない敵が一部存在する。これらの敵はビルダー道具を使って倒すことができる。
- 防具
- 服や鎧と、盾の2つの区分に分かれる。服は前作より種類が増え、重そうなドラゴンメイルからぺらぺらのバスタオル、かわいいまちびとの服になんならローレシアの服なんていうコスプレアイテムもある。今作は実際の装備品に関係なく見た目の装備を自由に変えられるようになっている(後述)。
- 見た目変更
- 家具アイテムのドレッサーを使って、つけている武器・防具にかかわらずビルダーを好きな見た目の装備に固定できる。メダル交換や特典、DLCで受け取ることのできるアクセサリーもつけられる。ドレッサーを作れるようになるのはオッカムル編からだが、実はからっぽ島内に元々ひとつ存在しているため序盤から見た目を固定することも可能。
キャラクター[編集]
からっぽ島[編集]
- 主人公
- メルキド出身の見習いビルダー。ゲームを始めるときに髪色、目の色、肌色、性別を選ぶことができる。デフォルトネームは男の子だと「ビルド」、女の子だと「クリエ」。このデフォルトネームは前作と共通している。このゲームのストーリーは、主人公がハーゴン教団に誘拐され、教団の船で目覚めるところから始まる。船ではなんだかんだ魔物の船員たちと仲良くなるが、船倉に大きな穴が開いたことが原因で沈没してしまう。主人公は運良く助かり、たまたま「からっぽ島」という無人島に流れ着く。謎の少年「シドー」や同じ船に囚われていた「ルル」、島の謎の存在「しろじい」と出会い、からっぽ島を開拓するための資源を求めてさまざまな島に赴くこととなる。常ににこやかで、緊張感のない顔だとよく周囲に言われている。背中に大きな本を背負っていて、新しいものづくりのレシピをひらめいたときや設計図を書くときに取り出して使用する。その内容は誰にも、相棒であるシドーにさえ見せない。
- シドー
- 主人公の相棒。自身の名前以外の記憶を持っていない、謎の少年。目つきが悪いし服はお腹丸出しだしベルトはゴツいし、口調も荒っぽいのに意外と面倒見が良くて純粋で素直でいいやつ。ものを作ることは苦手だが、ずば抜けた破壊の力をもち、素材集めやモンスター退治で主人公をアシストする。他の住民とは違って食事や食後のアレを必要としない(まあ主人公も満腹度はあるものの、トイレは必要としないが)。「シドー」という名前はドラクエ2に登場する破壊神の名前と一緒だが、その関係性は…?
- ルル
- 主人公と同じ船に囚われていて、偶然主人公と同じ島に流れ着いた少女。ルプガナという町の出身。この地名は実際にDQ2に登場する。自分勝手でわがまま、かなり強引なところがあるが素直で優しいところもある。ビルダーとシドーが他の島に行っている間はからっぽ島で留守番しており、からっぽ島のリーダーとして島民を束ねている。見た目やストーリー上の立ち位置、そして壊滅的な料理センスが前作のピリンに似ている。
- しろじい
- 主人公やルルが流れ着いたからっぽ島の妖精的な精霊的な存在で、白いおおきづちの見た目をしている。からっぽ島に流れ着いた主人公をビルダーと見込んだ上で神殿の修復を依頼し、お礼にビルダー道具の「おおきづち」とからっぽ島丸々全部をプレゼントする。ビルダーにからっぽ島の開拓のアドバイスを送ったり、次に向かう島を教えてくれたりする。ビルダーによって島がものづくりの力で満ちていくにつれて過去の記憶を取り戻していく。
- 船長
- 嵐に巻き込まれてからっぽ島に行き着いた船の船長。自ら主人公のお抱え船長を志願し、彼の船によってビルダーとシドーがものづくりの素材を求めて他の島に行くことができるようになる。語尾に「ヤス」を付けて喋る。
モンゾーラ島[編集]
かつて、たくさんの作物が実っていた島。恵みの大樹から吹く風によって作物が育っていたが、ある時から作物を傷ませる「くさり風」風が吹き始めたことによって不毛の地と化してしまう。ビルダーとシドーは、からっぽ島の食糧問題の解決策を探すべく訪れることとなる。「夢」というキーワードが印象的な章でもある。
- チャコ
- ビルダーとシドーがモンゾーラで最初に出会う住民。眼鏡をかけている。大農園を作ることが夢で、農業の天才を自称している。モンゾーラ地区を治める副総督のマギールと出会ってからは彼の弟子になり、農業や島のことについて学ぶようになる。実は姉がいたらしい。
- ドルトン
- ビルダーたちがモンゾーラに来る以前からチャコに誘われて作物作りに挑戦していたが、半ばあきらめていた。ヒゲが特徴的である。
- ポンペ
- ドルトンと同じく、最初から拠点となる場所にいる。調子に乗りがちで、ビルダーに何度も「一生のお願いッス!」を繰り返す。
- ジバコ
- モンゾーラの衛兵。ギャルっぽい口調でビルダーとも早々に打ち解ける。夜は拠点の見回りを行ってくれる。
- みみずん
- モンゾーラ島に昔からいた「おおみみず」族の最後の生き残り。汚れた土壌をきれいな土や草原に変える能力を持つ。ビルダーに出会う前はハーゴン教団から逃れるためにモンゾーラの各地を巡っていたため、島の知識を豊富に知っている。モンゾーラ編の終盤では彼の持つ情報を教えてもらいながら島中を駆け回る展開になる。
- ヒース
- 初版投稿者の好きな住民その1。ビルダーに「アレ」を依頼してくる。ビルダーと出会った当初はハーゴン教団の熱狂的な信者だったが、だんだんビルダー教に入れ込むようになる。モンゾーラ編クリア後は主人公にはついていかず、モンゾーラに残ってビルド教を広めている。ソフィいわく、たまに暴走しておかしなものを作りそうになっているらしい。
- ソフィ
- リズの姉。料理というものづくりをした罪でハーゴン教団によって妹ともに湿地帯のほら穴に閉じ込められていた。料理が得意。モンゾーラ編クリア後は、「モンゾーラをパンの香りでいっぱいにしたい」という夢を叶えるためにヒースやいぬとともにモンゾーラに残る。
- リズ
- ソフィの妹。幼いがしっかり者で、おどおどしがちな姉とは対照的である。仲間になってからは姉と一緒に料理部屋で料理をしてくれる。からっぽ島の緑の開拓地イベントではジバコとみみずんと草原と森づくりに取り組む。
- マギール
- ハーゴン教団に仕えるまじゅつしで、モンゾーラ島を治める副総督。ビルダーたちが大樹を育て始めたことをかぎつけ、拠点にやってくる。ものづくりを悪とする教団に属していながら大樹に興味を示し、ビルダーやチャコたちに協力してくれるようになる。「かわきのつぼ」「風のマント」といったレアアイテムをくれるのもこの人。
オッカムル島[編集]
かつて、ゴールドラッシュで賑わっていた島。島の守り神によってどこを掘っても金が出るとまで言われていたが、現在は坑道への道がハーゴン教団によって封鎖され、鉱石もほとんど石ころとなってしまう。ビルダーとシドーは、からっぽ島でのものづくりの幅を広げるために訪れることとなる。「愛」のキーワードが印象的な章。
- ペロ
- オッカムル島で最初に出会うことになる住民。アーマンの娘。彼女が幼いときはまだ島はゴールドラッシュで賑わっていた。島に教団の教えが広まってからも特に信じてはいなかったようで、むしろかつてのゴールドラッシュを復活させたいと願っていた。オッカムルに着いてすぐに地震でできた穴に落ちてしまったビルダーとシドーを助けてくれ、最初は主人公がビルダーということに驚いていたがすぐに受け入れる。島のあらくれたちにとっては唯一無二のカリスマ的存在で、彼女が一言バニースーツを着てあげると言えばあらくれたちが途端に鉱山の仕事にやる気になり始める。
- マッシモ
- オッカムル島に多数登場するあらくれの代表格その1。「〜だぞ」の喋り方が特徴的。同じあらくれ仲間のミルズより肌が黒めで大柄。オッカムル編の地下系のクエストには基本的に彼が関わり、ビルダーたちの坑道復旧作業や鉱石探しについてきてくれる。自ら魔物恐怖症を主張していて戦闘には参加しない。
- ミルズ
- 代表格その2。魔物と戦ってくれるが閉所恐怖症のため、鉱山には入らない。代わりに地上であらくれたちをまとめたり、報告会を毎日開いて採れた鉱石をゴルドンとビルダーに取り分けたりしている。ミルズいわくこれらの仕事でだいぶ
神経 をすり減らしているらしく、疲れを癒やすためビルダーにマッサージ部屋の作成を依頼する。
使用されている楽曲[編集]
新規のものはないが、歴代ナンバリング作のうち、DQ2〜DQ7に登場したBGMが使われている。特にDQ6とDQ2が初出の曲が多い。