デトキシゲン
デトキシゲンは、HPNP株式会社が販売するサプリメント「NOMUKA ENHANCE(ノムカ エンハンス)」に含まれている成分である。同社によって商標登録されている(登録番号:第6758225号)。
概要[編集]
体内の抗酸化酵素、特にグルタチオンペルオキシダーゼの働きを高めることを目的とした、アミノ酸とビタミン類の特定の配合である。
この配合には、システイン誘導体(シスチンやシステインなど)、グルタミン酸誘導体(テアニンやグルタミン酸など)、およびNAD+合成促進成分[1](ナイアシンアミド、NMN、ニコチンアミドリポシドなど)が含まれている。これらの成分は、細胞の抗酸化能力を高め、神経伝達物質としての機能やエネルギー代謝に寄与し、細胞のエネルギー生産と修復プロセスをサポートする。
酸化ストレスへの防御機構[編集]
酸化ストレスへの防御には、内因性の抗酸化酵素(スーパーオキシドディズムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど)と外因性の抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類など)が関与している。デトキシゲンは、特に内因性の抗酸化酵素の働きをサポートすることに特化している。
グルタチオンペルオキシダーゼの活性化[編集]
デトキシゲンは、グルタチオンペルオキシダーゼの活性を高めることに着目した配合である。この酵素は、グルタチオンを利用して過酸化水素や脂質過酸化物を還元し、細胞の酸化ダメージを軽減する。
グルタチオンとその前駆体[編集]
グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンから構成されるトリペプチドで、生体内の強力な抗酸化物質である。細胞内で高濃度に存在し、薬物や異物の解毒や過酸化水素や脂質過酸化物の還元・無毒化に関わる重要な役割を担っている。また、ビタミンCやビタミンEの酸化を還元し、これらの抗酸化力をリサイクルする働きもある。
細胞内のグルタチオン濃度は、激しい運動や手術などの侵襲後に減少することが知られている。細胞内レベルを上昇させるには、グルタチオンを直接、経口摂取しても吸収されないことが知られており[2]、体内でのグルタチオン合成を促進する必要がある。
シスチンとテアニンは、それぞれシステインとグルタミン酸へと代謝され、グルタチオンの材料として利用される[3]。また、マクロファージの研究で、シスチンとグルタミン酸を同時に追加すると、マクロファージ内のグルタチオンレベルが増加することが示されている[4]。これにより、細胞内のグルタチオンレベルを適切に維持することが可能になる。
NAD+の増加[編集]
抗酸化酵素の活性には、NAD+が補酵素として重要である。デトキシゲンは、ナイアシンアミドやNMNの形でNAD+の量を増加させる成分も含んでいる。
出典[編集]
- ↑ Podyacheva, Ekaterina; Toropova, Yana (2023-04-27). “The Role of NAD+, SIRTs Interactions in Stimulating and Counteracting Carcinogenesis” (英語). International Journal of Molecular Sciences 24 (9): 7925. . . . .
- ↑ Witschi, A.; Reddy, S.; Stofer, B.; Lauterburg, B. H. (1992-12). “The systemic availability of oral glutathione” (英語). European Journal of Clinical Pharmacology 43 (6): 667–669. . .
- ↑ 泰己, 宮国; 和彦, 深柄 (2013). “シスチン・テアニン”. 外科と代謝・栄養 47 (6): 197–198. .
- ↑ Rimaniol, Anne-Cécile; Mialocq, Patricia; Clayette, Pascal; Dormont, Dominique; Gras, Gabriel (2001-12-01). “Role of glutamate transporters in the regulation of glutathione levels in human macrophages” (英語). American Journal of Physiology-Cell Physiology 281 (6): C1964–C1970. . .