チルトシフト

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ミニチュア風加工(逆チルト加工および彩度加工)の例。拡大して見ると、海岸線付近のみにピントが合い、その上下がボケていることが分かる。

チルトシフト(tilt shift)とは、カメラのレンズの種類のひとつ(チルトシフトレンズ)。写真の撮影技法のうち、「チルト」「シフト」を実現するレンズのこと。

近年では、チルトシフトレンズを用いた(特に逆チルトでの)写真に見られるような、特徴的なボケ味加工を「チルトシフト加工」または「ミニチュア(風)加工」と呼ぶこともある。

チルトシフトレンズ[編集]

おもに古いカメラに見られる蛇腹機構は、レンズを垂直から傾けたり、フィルム(デジタルカメラなら撮像素子)よりもレンズを上下にずらす移動をさせることができた。これをそれぞれチルト(tilt)操作、シフト(shift)操作と呼ぶ。

チルトシフトレンズは、この機能をレンズ側に搭載したもので、蛇腹機構のないカメラであっても、チルト・シフトと同等の写真を撮影することができるものである。

チルト[編集]

チルトは、ふつう垂直(フィルムや撮像素子に対して水平)な外玉(いちばん外側のガラス面)を持っているレンズを、あえて途中で曲げる(傾ける=チルト)ことで、出来上がる写真のピントの合う範囲を操ることができる。それによって、手前から奥までピントの合った写真や、逆に極端にピントの合う範囲が狭い写真を撮影することが出来る。

特にピントの合う範囲が狭くなるように操作することを逆チルトと言い、ミニチュア風の写真を撮るにはこちらが重要となる。また、近年のチルトシフト加工と言えば、この逆チルト風に仕上げる加工を言う。

シフト[編集]

シフトは、高層ビルなど見上げる被写体の撮影といった、像が歪んでしまうような状況で、レンズをフィルム(撮像素子)の正面から上下にずらす(シフトする)ことで、歪みを補正することができる。

チルトシフト加工(ミニチュア風加工)[編集]

最近は、パソコンやスマホで、簡単にチルトシフト加工(逆チルト加工)を行うことができるようになった。機材を追加で購入することも不要であり、スマホ撮影の写真でも簡単に加工することができるため、広まっている。

チルトシフト加工の特徴として、ミニチュアのように見える加工を施せることが挙げられる。特に街中などを俯瞰した写真にチルトシフト加工を施すことで、まるでミニチュアの街を覗き込んでいるかのような写真に仕上げることが出来る。

ミニチュア風加工では、チルトシフト加工に加えて、彩度を上げる(色を目立たせる)加工も併せて使われる。これにより、非現実的なミニチュアっぽさが増す。

PhotoShopであれば、フィルター「ぼかしギャラリー」内に「チルトシフト」として項目が存在する。その他のアプリは知らないのでおググりください。