ひきこもりの手記

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『ひきこもりの手記』は、匿名作家MMMの長編小説。2020年にAmazonのKindleStoreから出版された[1]。筆者自ら、冒頭で虚構と明言しているが、殺人記録や犯行予告の仄めかしを含むため[2]、KindleStoreから繰返し削除された。正式名称は『ひきこもりの手記: 凡庸な人間には到底理解できない書物 編纂されたわたしの歴史および理論と殺人の記録』。

概要[編集]

「ひきこもりの筆者が半生を綴る」という体裁でまとめられた自伝的な小説。幼少期の虐待、同級生からうけたイジメ、挫折した社会人経験、宗教や神智学の影響下にあると考えられる難解な思想、殺害動機が、多様な修辞技法を用いて語られる。また、酒鬼薔薇聖斗の犯行声明文を彷彿とさせる序文、分裂的で一貫性のない文体、辻褄のあわない記述、難解な理論、古典文学からの引用、独自の文学論や芸術論、等の特徴から奇書と評される。匿名作家MMMの正体は不明。主に、SNSを通して話題となり注目された。

あらすじ[編集]

本編は、主人公が「常に私は嘘吐きである」と読者に忠告するところからはじまる[3]。主人公にいわせると、この手記は自分の生涯や精神を記したものであり娯楽小説ではないという。具体的には、文体は混乱していて文法は逸脱していて内容は矛盾していて支離滅裂なものである、と宣言するのである。なおかつそうならざるをえない理由も説明する。この主人公はこのように、自分の半生を綴るという筆者の立場でありながら、その記述の説明も試みるという批評家的視点を同時に持っている。

幼少期の主人公は、母親の大切にしているものを盗んでは罰をうけていた。学校では、同級生と会話が成立せず友達はひとりもできなかった。中学生になると担任と折りあいがつけられず不登校になった。仕事は長続きせずひきこもりになり、遂に、母親にいわれるがまま精神病院につれていかれ、精神病患者の烙印をおされる。孤独な主人公は、自分のおかれた閉塞状態を打破するため読書や執筆にとりくみ、独自の理論を構築する。主人公は、母親からうえつけられた教条(ドグマ)を思想的に超克しようとしたのである。そしてまた、実際にその教条を超克するために殺人を実行する。あとがきで、二人目の殺人に関して語られ、最後に三人目の殺人を予定していることが明かされる。

脚注[編集]

  1. AMAZONに登録されている本書籍(ASIN : B08RB3WJ4Q)の情報より。
  2. 本書のあとがきに「三回目の殺人を計画している」と実際に書いてある。
  3. 本書のまえがきに「常に私は嘘吐きである」と実際に書いてある。