アサルトライフル

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代表的なアサルトライフル

アサルトライフルとは「カービン銃」「突撃銃」などと呼ばれ、いわゆる「歩兵銃」に対して「騎兵銃」などと呼ばれた。携帯に便利なように、歩兵銃よりも銃身が短く軽量である。Karabiner 98kなどが有名である(カラビナも参照のこと)。
現在では、自動小銃(自動装填式の小銃のうち、フルオート射撃(あるいは三点バースト射撃)が行えるものをいう。自衛隊の自動小銃の安全装置は、「ア・タ・レ」(安全・単発・連射)となっでいるとかいないとか。

各国のアサルトライフル[編集]

アメリカにおいては第二次世界大戦中に使用されていたM1ガーランドは、自動装填式の小銃であったが、フルオート射撃ができなかった。そのため、この銃をもとにしてスプリングフィールドM14が開発され、既存のガーランドなどを置き換えたものの、ジャングルなどが主戦場となるベトナム戦争では不適であった。そのため、新たに米軍が制式採用したM16自動小銃が投入され、この銃はカービン型のM4などを含め様々な派生モデルが誕生した。改修型のHK416が今でも使用されている部隊もある。

自衛隊においてもアサルトライフルは普通科の主力装備であり、伝統的にバイポッドが付いている[1]。これは専守防衛の考えからくるものであり、攻めてくる外敵を陣地から制圧射撃するためのものであるというような考えによるものとされている。最新式の20式でもフォアグリップとバイポッドが一体化したグリポッドが標準装備されている。また、同世代のアサルトライフルに比べて日本人の体形に合わせた最適化がされているといわれているほか、少数生産の都合上かなり高価となっている。 1964年に制式化された64式小銃、1989年に制式化された89式小銃、そして2020年に制式化された20式小銃のいずれも豊和工業が設計・製造する国産の自動小銃を採用している。

ロシアにおいては1949年に制式化されたAK-47をはじめ、各種の派生・後継型が今もなお使用されている。AK-47は過酷な環境でも動作したことから、過酷な戦地においても確実に動作する信頼性の高い自動小銃であるとされ、ロシアのような寒冷地はもとよりジャングルや沼地のような高温多湿の環境から砂漠地帯まで、あらゆる戦場で使用されてきた。そのため、AK-47こそが大量破壊兵器であるとして非難する人も少なくはない。

特徴[編集]

連射性能は優れているが、スイス製のSIG SG550などの例外を除けば精密射撃には不向きなものが殆どである。旧式なボルトアクション方式のライフルの方が命中精度は遥かに高い[注 1]

現代は、遠方を攻撃する場合、300メートル以内ならグレネードランチャーを[注 2]、それ以上の距離ならばミサイルを使う時代になっている(狙撃を除く)。

フルオート射撃の用途[編集]

銃座に据え付けられた機関銃と違い、アサルトライフルでフルオート射撃を行うと反動によって銃の向きが変わってしまうため、命中率が極度に低下する。おまけにフルオートで撃てば弾薬はすぐに無くなってしまう。しかし、味方の行動を援護する場合にフルオート射撃は有効であり、重機関銃がない場合でも簡易的な弾幕を張ることが可能である。いくつかの部隊が援護と進軍・撤退を繰り返しながら移動する制圧射撃という戦術の一つである。これは歩兵の戦術としては基本的なものである。

なお、連射時の命中精度を高めるための技術として3点バーストが存在する。

銃乱射事件でAR-15等をフルオートに近い状態にまで改造して使うのは、トリガーハッピーか、かなりの怨恨かもしれない。

サブマシンガンとの違い[編集]

サブマシンガンは拳銃弾を使用するが、アサルトライフルは小銃弾を使用する。また、サブマシンガンは近接戦闘用の武器と考えられており、運用法も異なるものである。

その他[編集]

  • 北大西洋条約機構(NATO)は小銃を全自動化したものと考え、ワルシャワ条約機構ではサブマシンガンを強化したものと考える。このため西側のアサルトライフルはスナイパーライフルのように全長が長く、東側のアサルトライフルはサブマシンガンのように全長が短い。

歴史[編集]

第二次世界大戦中にナチス•ドイツで初めて作られたと考えられているが、ロシア革命前の帝政ロシアでも全自動射撃のできるフェドロフライフルが作られており、起源に関しては意見が別れる。

第二次世界大戦直後には、ソ連カラシニコフ突撃銃が開発され、遅れてアメリカでAR-15が開発された。

現在、先進国では独自に開発したアサルトライフルを、親米の途上国はM-16を、反米の途上国はカラシニコフ系のアサルトライフルを使う場合が多い。

Ak-47の7.62×39弾は、装薬はやや少なめだが、それでも反動は強く、フルオート射撃中の制御が難しい。M-14の7.62×51弾は強力過ぎてフルオート射撃などできたものではない。M-16の5.56×45弾や、AK-74の5.45×39弾は小さすぎて弾道が不安定である。しかも、口径を小さくしても、フルオート射撃で命中率が極度に低下するという問題は解決していない。

今頃になって「百年以上も前にフェドロフライフルが採用した6.5ミリくらいがアサルトライフルの口径として最適であった」と言われるようになっているのである。

補足[編集]

AK-47とM-14は口径は同じだが、薬室の形状が違うため銃弾に互換性はない。

7.62×51:口径が7.62㎜、薬莢の全長が51㎜という意味。

日本語では何と訳すか[編集]

一般的には「騎兵銃」であるが、軍馬がいないと騎兵もいないので、大東亜戦争当時では「カービン銃」の言換えであったらしい。
「自動小銃」と訳すと、大東亜戦争当時は自動小銃まだ開発されていなかったので(松本零士の「戦争マンガシリーズ」には登場するが、やはり試作品である)セミオートライフルなのか不明である(百式短機関銃や九二式重機関銃は存在した)。「突撃銃」あるいは「騎兵銃」と訳すのが適当であろうと思う。

参考動画[編集]

  • M4のフルオート。
YouTube 動画リンク

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. もっとも、弾丸飛び交う前線でボルトアクション式の銃を使うメリットがどれだけあるか、そんな前線の真っただ中で落ち着いて目標物に照準できるかは不明である
  2. ベトナム戦争での交戦距離は平均して50m未満であったという。また、市街地などの戦闘も多い現代において、障害物の影響を考慮しないことは考えられない。グレネードランチャーが主力装備となっていないのはそういうことである
  1. なお、銃剣も着想できる。