駿河国

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駿河国(するがのくに)は、日本にあった令制国である。現在の静岡県の中部に相当する。駿州(すんしゅう)とも言われる。

地理[編集]

周辺の令制国は以下の通り。

駿河国に隣接する令制国
信濃国 甲斐国
遠江国 駿河国 相模国
太平洋 伊豆国

主に、駿河湾の西側沿岸に相当する、海沿いの令制国である。

西は大井川遠江国との境界である。北は赤石山脈信濃国甲斐国との、富士山甲斐国との境界になっている。東は箱根山丹沢山地相模国との境界で、狩野川の支流境川が伊豆国との境界になっている。

歴史[編集]

駿河国最大の都市は現在は静岡市だが、駿河国は富士川あるいは黄瀬川に由来する。

室町時代以降、今川氏が守護となった。戦国時代に今川義元が出現し、海道一の弓取りと言われたが、桶狭間の戦いで敗死。その後跡を継いだ今川氏真は甲斐の武田信玄と対立、1569年には駿河は武田領となり、武田氏は念願の海を手に入れることとなる。1582年に、武田家が織田信長に滅ぼされたが、その後すぐに本能寺の変が起き、織田信長も殺害される。

織田信長なき後、駿河国は天正壬午の乱を経て徳川家康の領地となった。しかしその後関東に移封され、駿河は豊臣家臣の中村一氏に与えられた。

関ヶ原合戦後、中村一氏は伯耆国に加増転封され、江戸幕藩体制下では、駿府城が幕府直轄地となった他、沼津、田中の2藩があった。

大政奉還後、徳川家の16代を継いだ家達が減封・転封されて静岡藩となり、廃藩置県後の府県統廃合で、遠江国および伊豆国の本土部と合わせて静岡県となった。

藩の一覧[編集]

駿河国に藩庁を置いた藩の一覧を示す。

  • 沼津藩 - 水野氏(譜代)。ただし1777年以前は幕府直轄領。
  • 田中藩 - 本多氏(譜代)。ただし17世紀は藩主が頻繁に入れ替わっていた。

郡の一覧[編集]

なお静岡市の旧市街は、安倍郡と有渡郡に跨っている。市街の東半分が有渡郡、駿府城と市街の西半分が安倍郡で、現在賑わっているのは旧有渡郡側である。

駿河ゆかりの有名人[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

律令制下の国名(旧国名)一覧
畿内 山城国 / 大和国 / 河内国 / 和泉国 / 摂津国
東海道 常陸国 / 下総国 / 上総国 / 安房国 / 武蔵国 / 甲斐国 / 相模国 / 伊豆国 / 駿河国 / 遠江国 / 三河国 / 尾張国 / 伊賀国 / 伊勢国 / 志摩国
西海道 豊前国 / 豊後国 / 筑前国 / 筑後国 / 肥前国 / 肥後国 / 日向国 / 大隅国 / 対馬国 / 壱岐国
南海道 紀伊国 / 淡路国 / 讃岐国 / 阿波国 / 土佐国 / 伊予国
東山道 陸奥国 / 出羽国 / 下野国 / 上野国 / 信濃国 / 飛騨国 / 美濃国 / 近江国
山陽道 播磨国 / 美作国 / 備前国 / 備中国 / 備後国 / 安芸国 / 周防国 / 長門国
山陰道 丹波国 / 丹後国 / 但馬国 / 因幡国 / 伯耆国 / 出雲国 / 石見国 / 隠岐国
北陸道 佐渡国 / 越後国 / 越中国 / 能登国 / 加賀国 / 越前国 / 若狭国