錬金術

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錬金術 (れんきんじゅつ)とは、卑金属から貴金属を作ろうとした試みである。

沿革[編集]

古代ギリシアではアリストテレスによって提唱された四元説、すなわち万物は空気で出来ているという考えがあった。これらを組み合わせればが出来るのではないかという考えが生まれた。この考え方はイスラム世界に伝わり、ギリシア語の文献がアラブ語に翻訳された。イスラム世界では実際に錬金術を応用し、蒸留の技術が向上していった。また、この時に四元説から、硫黄食塩水銀元素ではないかという考えも生まれた。ルネサンスではこの技術がヨーロッパにもたらされ、アラブ語の文献がラテン語に翻訳された。錬金術は占星術不老不死の薬品の製造とも絡みついてヨーロッパ中に広がっていったが。金を合成することは出来なかった。一方、錬金術によって金の合成に成功すると金の価格が暴落するのではないかと恐れる人も出てきた。やがて元素について新しい知識が得られ、金が合成されることは不可能だと結論づけられた。

評価[編集]

錬金術によって金が合成されることは不可能となったが、様々な物質の合成の過程で塩酸硝酸硫酸といった薬品が合成され、中国では黒色火薬が発明された。このように近代科学の「化学」や実用的な産業の発展[注 1]に貢献した面もある。

20世紀の錬金術[編集]

第一次世界大戦に敗北したドイツは、国土の再建と賠償金の支払いのために海水に溶けている金を回収する試みを行った。海底資源や海洋生物と異なり、海水を取水する制限はないので、世界中の海水を集めて金を回収しようとした。しかし、回収した金よりも回収する費用が大きく上回り、この試みは中止された。

また、物理学の世界では核分裂によって金を生み出すことも出来る。

錬金術を題材にした作品[編集]

比喩[編集]

錬金術の「金」を「金銭」と解して後ろ暗い利益や不当利得を挙げることを言う。

詳細は「田中英壽」を参照

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  1. 例えば蒸留酒の製造。