銀弾の銃剣姫

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銀弾の銃剣姫』(シルバレットのガンソーディア)は、むらさきゆきやによる日本ライトノベル作品。イラストは鶴崎貴大

概要[編集]

2013年3月にMF文庫Jより刊行。むらさきゆきやによるMF文庫Jからは初のシリーズ作品。

ストーリー[編集]

龍崎蛍介は普通が一番だと考えている男子高校生。そんな中、姉の龍崎鷹音によって、異世界の異界人と戦っているというAAAのルノアヴェルと同じ家で暮らすことになる。そんな矢先に異界人によって死亡してしまう蛍介だが、ルノアによって刻印銀弾に魂が封入されたことで命拾いするのだった。

登場人物[編集]

AAA[編集]

龍崎 蛍介(りゅうざき けいすけ)
本作の主人公。何事も普通がいいと考える高校2年生の男子。16歳。
鷹音によってルノアと一緒に住むことになる。イヴォグの襲撃によって致命傷を負うも、ルノアによって刻印銀弾に蛍介の魂が封入されたことで意識を取り戻す。そのことで、異界の力で肉体は超人的に回復するようになって、肉体に魂がなくなって不死身となる。魂を封入した銀弾が蛍介から離れると肉体のコントロールができなくなるが、どれくらい離れると駄目なのは不明。
過去にAAAの育成機関にいたことがあるが、鷹音が司令官になった時に責任者が指揮に影響が出ない様に選定施設から出た。そのときに記憶を封じられていたが、イヴォグとの戦闘によって記憶を取り戻す。そのときにルノアとも出会っており、そのときに蛍介と過ごした時間をルノアは大切に思っていた。
ルノアヴェル / ルノア
愛称「ルノア」。16歳の女子。蛍介のことは「蛍介様」と呼ぶ。「わふぅ」が口癖。
AAA第二特殊作戦群、第四章隊所属の大尉。《銃剣姫(ガンソーディア》として活躍していたが、対異界用の特殊兵器を使うための能力が衰えたことで退役する。幼いころから訓練を受けて戦場で戦っていたため、退役後は普通の生活を望んで、その希望をかなえるために鷹音によって蛍介の家に送り込まれた。そして、普通の高校生活を送るために蛍介と一緒に暮らすことになる。
長らくAAAにいたために常識に欠けているところがあるが、素直で良い子。高校生になって恋がしたいと望んでおり、蛍介にアタックしてくる。だが、恋の進め方についてもよく分かっていないところもあって色々と性急に事を運んでしまったりする。
蛍介がイヴォグによって死にかけたときに刻印銀弾に蛍介の魂を封入して助けた。その後、クロエに届けられた鷹音からの命令書によって所属や階級は元通りに原隊復帰。刻印銀弾の警護を最優先事項にしつつ龍崎蛍介の護衛もすることになった。学生として高校には通うこととなる。そして、蛍介のクラスに転入する。
零式(ゼロ)
ルノアの使う銃剣。
龍崎 鷹音(りゅうざき たかね)
蛍介と10歳離れている姉。20歳にしてAAAの太平洋域軍の司令官に選ばれる。蛍介の家にルノアを送り込む。
先読みして正解を導きだすことが得意。
クロエクロイツ / クロエ
愛称「クロエ」。ルノアと同じチームだった戦友。AAAでは前衛(フォワード)が突撃するのを支援する後衛(バックス)。得意技は「殺人ドロップキック」。思い込みが激しいところがあり、ハプニングに見舞われると妄想が激しくなる。
蛍介の家で風呂に入っているときに蛍介と鉢合わせしたのが蛍介との最初の出会いとなる。そのため、蛍介のことは変態扱いする。休暇を取って、蛍介の家に泊まってルノアの原隊復帰の命令書を届けた。鷹音に憧れている。ルノアを友人として大好きで、ルノアに戻ってきてほしいと思っている。
エリザベートロサロザリア / ネネ
頻繁に「ねーねー」と話しかけることから「ネネ」と呼ばれている。巨乳。ルノアと同じチームだった戦友。「うひゃひゃ」と笑う。
第2巻にて蛍介の護衛任務についた。
リン・メイリン
第2巻より登場。AAAアジア中央域軍、特殊作戦群、第一小隊所属の少佐。史上最年少で専用銃剣(スペシャル)を与えられた。10歳。
チョウ・リーシーを殺したという罪悪感からホワン司令の命令をひたすら聞くようになっていった。だが、蛍介が敵から身をていしてメイリンを守って言葉をかけたことで、自分で考えてホワイトの命令に反して異界人と戦う。そして、異界人との戦闘後に蛍介と同じ学校に通うことにして、飛び級の留学生ということで2年B組に転入するのだった。
殲機IV(ジャンジ)
メイリンの専用銃剣。
フィーア
ルノアと同じチームだった戦友。
エイブリー・エドワーズ
少佐。鷹音の副官をしている。鷹音の予想しない行動を取ることがある。
ノイ主任
空母ヘスペリデスで銃剣の修理を行う。蛍介がメイリンと戦うことになったことで、新しい銃剣を用意する。
本田(ほんだ)
技師長。イヴォグとの戦いで傷ついた零式(ゼロ)を修理する。
ホワン
AAAアジア中央域軍の司令。鷹音とは違って利己的な人物で、AAAの参謀本部への昇進を何よりも優先する。
自分が命令してメイリンをリーシを殺したということを利用して、メイリンを洗脳。メイリンにルノアを襲わせて世界一の銃剣姫に仕立て上げて自分の評価をあげようと目論んだ。
チョウ・リーシー
メイリンがAAAの訓練兵に8歳で入隊した時に13歳だった少女。メイリンの先輩だが、友達のように接した。異界人のルシファーによって、操られながらもメイリンに逃げるように促した。そんな中、ホワイトの命令によって、メイリンに撃たれて死亡する。

異界人[編集]

イヴォグ
指揮官級(コマンダー)の異界人。ルノアとは何度も殺し合いをするなどの因縁がある。過去の五度の対戦ではルノアが勝利していたが、消滅せずに生き残っていた。蛍介と一緒にいたルノアを強襲。蛍介に致命傷を負わせるもルノアに退けられた。刻印銀弾に蛍介の魂が封入されるきっかけとなった異界人。
美砂を人質にしてルノアを呼び出して追い詰めるも、蛍介の刻印銀弾を使ったルノアの攻撃で倒される。

その他[編集]

岬 美砂(みさき みさ)
蛍介の幼馴染の少女。蛍介のクラスメイト。優等生であり、生徒会長をしている。
相手の事情を詮索しないなど分別のついている。ルノアの事情についても深く聞かなかったが、ルノアの食生活などについては心配してあれこれと世話を焼こうとしたりしている。
生徒会主催のレクリエーションとして遊園地に行く企画を考えているという名目で、蛍介を遊園地「都島ランド(としまランド)」に誘う。そして、蛍介とのデート中にイヴォグに拉致されてしまう。蛍介の作戦によって助け出される。その後に蛍介がルノアを助けに行こうとするのを危ないと辞めさせようとするも、走りだしたルノアを見送る。
小春 トモ子(こはる トモこ)
蛍介たちの通う高校の二年C組の少女。写真部の副部長で臨海学校ではカメラマンを任せられた。

用語一覧[編集]

AAA(トリプルエー)
存在が秘匿されているが、正規の軍隊。異界狭門の出口に防衛拠点を築いて異世界からの侵略者を撃退している。防衛網を抜けてしまう敵もおり、こちらの世界にやってきた異界の者は、人間の姿に擬態。この敵は特殊な訓練を受けた兵しか見破ることができず、一般の人が異界人を疑ってパニックになることを防ぐためにAAAも存在を秘匿している。
対異界特殊兵装(Anti Ailen Special Arms)・紋影発動体(Schlieren Generator)
通称「銃剣(ガンソード、Gunsword)」。異界人と戦うための武器。
異界狭門(ピンホール)
異界と繋ぐ穴で異世界からやってくる敵が通ってくる穴。異界の敵は異界狭門を拡大することを目標としており、異界狭門が拡大したら無数の敵が来襲して人類は敗北するだろうと言われている。
刻印銀弾(コードシルバレット)
刻印銀弾を広げる鍵。刻印弾と同じ形をしている。14年前に六発の銀色の銃弾が発見され、生命力と引き換えに様々な超常現象を引き起こせる。六発がそろえば異界狭門を広げることも可能。
常に特殊なエネルギーを放出するために隠すことはできない。また、収納したり壊すと消えて別のところに現れるという性質がある。逆に誰かが持ち運んでおくと消失しないので、蛍介が警護される理由の一つとなった。
刻印弾(コードバレット)
使用者の生命力を干渉効果(クロスプロテクション)に変換して封入して作る銃弾。銃剣に入れて撃ちだす。消費した刻印弾は<休眠状態>になって、翌日には<空薬莢(からやっきょう)>としてチャージできるようになる。装填者の生命力で干渉効果を封入することで<充填済み>となって再び使える。
生命力
刻印弾に干渉効果を封入するために使う。あまり使いすぎると死んでしまうため、乱用は避けられている。
銃剣兵(ガンソードマン)
刻印弾に干渉効果を封入できる希少な才能の持ち主。そのなかでも多大な戦果を上げた《エース・オブ・エース》には、専用銃剣(スペシャル)が与えられる。男なら《銃剣将(ガンソージェ》、女なら《銃剣姫(ガンソーディア》と讃えられる。

単行本[編集]

MF文庫Jメディアファクトリー)より刊行。

巻数 初版発行日 ISBN その他 サブタイトル
1 2013年3月31日(2013年3月25日発売) ISBN 978-4-8401-5143-6
  • Prologue
  • プロローグ ルノアヴェル来襲
  • 第一章 世界と異界
  • 第二章 異界人イヴォグ
  • 第三章 不死人
  • 第四章 岬美砂の頼み事
  • 第五章 銀弾の咆吼
  • エピローグ たぶん、ここは天国だな
2 2013年7月31日(2013年7月25日発売) ISBN 978-4-8401-5244-0
  • Prologue
  • プロローグ ネネ来襲
  • 第一章 輝く太陽と白い砂浜
  • 第二章 スーパーホープ・メイリン
  • 第三章 特訓しましょう
  • 幕間
  • 第四章 ケクロプスの卵
  • エピローグ わたしのですから!

外部リンク[編集]