皆川達夫

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皆川 達夫
生誕1927年4月25日(97歳)
出身地日本国旗.png日本東京都
死没2020年4月19日(満92歳没)
学歴東京大学大学院
ジャンルクラシック音楽
職業音楽教育家、音楽学者、指揮者

皆川 達夫(みながわ たつお、1927年4月25日 - 2020年4月19日)は、日本の音楽学者合唱指揮者学位文学士(東京大学)芸術学博士(明治学院大学)称号立教大学名誉教授中世ルネサンス音楽の研究と、ラジオ番組「音楽の泉」の柔らかな語り口で知られる。

来歴[編集]

既婚者。長男あり。

長崎県隠れキリシタンによって歌い継がれていたオラショ研究に携わり、原典となったキリスト教聖歌との関連を明らかにした。NHKFM「バロック音楽のたのしみ」を1965年から1985年まで、NHKラジオ第1放送の「音楽の泉」に2020年3月まで出演していた。「合唱音楽の歴史」「西洋音楽史、中世・ルネサンス」「洋楽渡来考、キリシタン音楽の栄光と挫折」など多数の著書を出している。

2020年4月19日、老衰で死去した。92歳没。

栄誉・栄典[編集]

全日本合唱センター名誉館長、日本近代音楽館顧問ほか合唱と音楽資料の収集や保管、公開に務める。

出演[編集]

ラジオ[編集]

主な著作[編集]

  • 『ヘンデル』ダヴイッド楽社、1948
  • 『合唱音楽の歴史』全音楽譜出版社、1965
  • 『楽器』保育社〈カラーブックス〉、1970
  • 『バロック音楽』講談社現代新書、1972 (のち講談社学術文庫) ISBN 978-4061597525
  • 『ワインのたのしみ方』主婦と生活社、1973 (のち光文社文庫)
  • 『中世・ルネサンスの音楽』講談社現代新書、1977
  • 『バロック名曲名盤100』音楽之友社、1977
  • 『オラシヨ紀行 対談と随想』日本基督教団出版局、1981
  • 『西洋音楽ふるさと行脚』音楽之友社、1982
  • 『楽譜の歴史』音楽之友社、1985
  • 『西洋音楽史 中世・ルネサンス』音楽之友社、1986
  • 『ルネサンス・バロック名曲名盤100』音楽之友社、1992
  • 『洋楽渡来考―キリシタン音楽の栄光と挫折』(2004年)日本基督教団出版局、ISBN 978-4818405318[2][3][4]
  • 『洋楽渡来考再論 : 箏とキリシタンとの出会い』日本基督教団出版局、2014。ISBN 9784818408777
  • 『キリシタン音楽入門 : 洋楽渡来考への手引き』日本基督教団出版局、2017。ISBN 9784818409705

翻訳[編集]

  • クヌート・イエッペセン『対位法』柴田南雄共訳、東京創元社、1955
  • クルト・ザックス『音楽の起源』柿木吾郎共訳、音楽之友社、1969
  • アルノルト・シェーリング『西洋音楽史年表』音楽之友社、1971
  • マルク・パンシェルル『音楽の歴史 1』PARCO出版局、1975
  • エマーヌエル・ヴィンターニッツ『楽器の歴史』礒山雅共訳、PARCO出版局、1977

共著[編集]

  • 「中世におけるポリフォニー・ミサ曲の成立」『音と思索 : 野村良雄先生還暦記念論文集』野村良雄、野村良雄先生還暦記念行事実行委員会、音楽之友社、1969
  • 水嶋良雄、船山隆(共著)「過去の音楽の演奏をめぐって<シンポジウム> (音楽学会第32回全国大会総覧)」『音楽学』第27巻第3号、東京 : 日本音楽学会 ; 東京 : アカデミア・ミュージック (発売)、1981、234-239頁。ISSN 0030-2597
  • 伊東乾「交響する啓典の民(13)テクノクラートとしてのカクレキリシタン--皆川達夫氏との対話(4)」『福音と世界』第66巻第2号、新教出版社、2011年2月、22-28頁。NAID 40018269934

書評[編集]

  • New Oxford Hirtory of Music Vol.3:"Ars Nova and the Renaissance(1300~1540)" Ed. by en:Dom Anseln Hughes and en:Gerald Abraham, 1960」『音楽学』第6巻第2号、東京:日本音楽学会。ISSN 0030-2597

録音資料[編集]

  • 監修・解説『History of music in sound = 耳による音楽史』、RCAビクター、東京:RVC。LP 各2枚組(33 1/3 rpm、モノラル録音)、解説書各1冊。
  • 第3巻「Ars Nova and the Renaissance」
  • 第4巻「The age of humanism」
  • 第1部『サカラメンタ提要』演奏:及川豊、望月寛之、山下晋平(VO)、橋本周子(COND)、聖グレゴリオの家聖歌隊(カペラ・グレゴリアーナ)、CD + 解説書1冊。
  • 第2部 東京国立博物館所蔵『キリシタン・マリア典礼書写本(耶蘇教写経)』演奏:橋本周子(COND)、岩手県立不来方高等学校音楽部 松村玲子(COND)、聖グレゴリオの家聖歌隊(合唱)、生熊秀夫(祈願)。
  • 第3部『生月島の「かくれキリシタン」の「オラショ」』演奏:生月島のかくれキリシタンの皆さん(山田集落、壱部集落、境目集落)(オラショ唱和) 片山みゆき(COND)、中世音楽合唱団(CHO)。CD1枚。DVD1枚 :「生月島のかくれキリシタン」。

楽譜[編集]

  • 『La Messe de Nostre Dame 』、Guillaume de Machaut、東京:中世音楽合唱団、1959。

ラテン語。

  • 「トマス・ルイス・ビクトリア」、ラテン語、別題:Polyphonic music of the Renaissance, Tomas Luis de Victoria。
  • 「フランドル楽派」(その1) 。フランス語、ラテン語、ドイツ語、イタリア語。別題:Polyphonic music of the Renaissance, Flemish school, part 1。
  • 「フランドル楽派」(その2)、フランス語; ラテン語; イタリア語。別題:Polyphonic music of the Renaissance : flemish school, part 2。
  • 『ルネッサンス合唱名曲選Anthology of choral music in the Renaissance』、高野紀子 (共訳)、全音楽譜出版社、1972年-1975年。のちに複数版の改訂あり。
  • 『ギョーム・デュファイ作品集』、音楽之友社、1975。フランス語、ラテン語

脚注[編集]

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出典[編集]

  1. 【11/11】立教大学キリスト教学会・秋の講演会「かくれキリシタンの祈りの歌」 - 新着情報(2017年)”. 立教大学大学院キリスト教学研究科 (2017年10月18日). 2020年2月17日確認。
  2. 星野宏美「書評 皆川達夫著『洋楽渡来考--キリシタン音楽の栄光と挫折』」、『キリスト教学』第47号、立教大学、2005年、 251-253頁、 ISSN 0387-6810
  3. 横坂康彦「書評(皆川達夫著『洋楽渡来考――キリシタン音楽の栄光と挫折』(日本基督教団出版局、二〇〇四年、六四〇頁))」、『日本の神学』第2005巻第44号、日本基督教学会、2005年、 242-246頁、 doi:10.5873/nihonnoshingaku.2005.242ISSN 0285-4848
  4. 樋口隆一「ブック・レヴュー 『洋楽渡来考--キリシタン音楽の栄光と挫折』皆川達夫著--キリシタン期日本の洋楽受容を検証した著者のライフワークとも言うべき名著」、『レコ-ド芸術』第54巻第2号、音楽之友社、2005年2月、 295-297頁、 ISSN 0289-3614

外部リンク[編集]