玉突き転属
(玉突き代替から転送)
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玉突き転属(たまつきてんぞく)とは、主にバスや鉄道において、新型車両に置き換えられた古い車両が転属し、その車両が転属先のさらに古い車両を置き換えるという、まるで玉突きのように置き換えが行われる事象のことである。玉突き代替、玉突き配転ともいう。
概要[編集]
バス、鉄道共に主に都心部の車両が新車に置き換えられて郊外へ転属し、郊外の古い車両を置き換えるというパターンが多い。
廃車になる古い車両が人気だと、転属した車両が、転属先でしばらく恨まれることがある。
実例[編集]
東北[編集]
- 十和田観光電鉄
- 晩年には中小私鉄で初めてVVVF車の玉突き転入を行ったが、そんな努力もむなしく2012年にあっさり廃止に。
関東[編集]
- JR首都圏
- 2015年から2020年にかけて山手線のE235系がE231系500番台を置き換え、押し出されたE231系500番台が中央総武線に転属し、E231系0番台・209系500番台を捻出、そのE231系・209系により武蔵野線・八高線の205系や209系を置き換える一大スペクタクルが発生した。また、新潟地区のE127系が、南武支線用205系を置き換える事象もある。
- 東武野田線
- 1944年の東武買収以降、2013年に60000系が入るまで伊勢崎線系統からの玉突きのみであった。
- 小湊鐵道
- 自社発注のキハ200の後継として、JR東日本からキハ40系を譲受している。
- 銚子電気鉄道
- 本州最東端の譲受車天国。先日も南海2000系の譲受と元伊予鉄車の廃車が発表された。
中部[編集]
- 國鐵甲信越
- 中央東線で211系が転属し、115系や169系が淘汰された。
- 上田交通
- 昇圧後は譲受車大国だが、2008年に地方私鉄で2例目にVVVF車を譲受した点で比較的先進的である。
- 長野電鉄
- 元・日比谷線の車両だった3500系の代替に際し、同じく日比谷線の03系を投入することになった。今でも18m級の中古車を探し続けている。
- 伊豆急行
- 2010年代後半からの伊豆急はJRの首都圏で使い古された115系、209系が転属し、自社発注の車両が廃車されている。
- 東海道本線 (名古屋・静岡地区)
- 2023年時点では、315系は神領に集中投入されているため、大垣や静岡に回ってくるのは神領で余剰となった313系のみである。
- JR飯田線
- 玉突き転属車の最終の棲家を象徴する路線で、1980年代に旧国ブームとなった他、80系電車も飯田線で最後を迎えている。
- 数少ない新車119系を置き換えた313系3000番台や213系も、それぞれ中央西線木曽ローカルや関西線からの転属である。
- 豊橋鉄道東田本線
- 1925年の開業時に単車1形を、2008年に超低床車T1000形を自社で用意した以外は譲受時点で経年の浅かったモ780やモ800を含めすべて他社からの移籍である。
関西[編集]
- 近鉄
- 近鉄名古屋線では顕著で、奈良線・大阪線で減便減車により余剰となった、汎用性の高い3両以下の短編成の車両は大抵名古屋線に回され、抑速ブレーキのないグループが淘汰されることが多い。
- 三岐鉄道三岐線
- 旧弊な西武701系電車の譲受車が最後まで残っていたが、ついに211系により置き換えがなされることになった。
- 京都丹後鉄道
- JR東海で運用終了したキハ85系の転属とKTR001形の廃車で三セク転換してから初の玉突き転属と廃車が生じた。
- 能勢電鉄
- 自社発注車は1953年の50形・60形、完全新車に至っては1926年の31形を最後に途絶えており、現存車はVVVF車を含め旧・阪急車で揃えられている。
- 南海電気鉄道
- 7000系を代替するにあたり、運用減で余剰となった泉北高速鉄道3000系電車を14両譲受して賄った。
- 紀州鉄道
- 御坊臨港鉄道から社名変更してから、玉突き転属による譲受車ばかりで、はからずも最後のLE-Car運行線区となった。LE-Carの代替も他社から譲受の軽量気動車で賄われた。
- きのくに線
- 2021年3月まで紀伊田辺以南は玉突き転属車天国で、2004年に105系が中国地方から転属した際は、一部で反発された。
中四国[編集]
- 國鐵廣島
- 国鉄分民化直前に、首都圏から115系が大量に転属して、111系が淘汰したが国鉄型王国となった。分民化後も京阪神から103系が転属した。
- 高松琴平電気鉄道
- 四国では唯一の標準軌鉄道のため、京急、名市交など1067mm軌間でない民鉄などからの玉突き転属による譲受車が多い。
- もっとも、2026年に約60年ぶりの自社発注車が導入されることになった。