正倉院展

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正倉院展(しょうそういんてん,Shosoin Exhibition)は正倉院の宝物の中から毎年40件から60件ほどを選んで一般公開する展覧会である。

概要[編集]

正倉院は奈良時代に建立された東大寺の倉庫で、聖武天皇の遺愛の品々を中心として約9000件の宝物を保管する。 戦前は非公開であった。

1946年(昭和21年)に奈良国立博物館で「正倉院御物特別拝観」として第1回とは名が打たれていないものの、その後に続く展覧会の最初であった。出陳御物は、奈良帝室博物館収蔵庫に分散疎開中のものから、33点が選定された。終戦後の混乱期であったが、奈良国立博物館開設以来の盛況で、期間中の観覧者は14万7千人であった。入館待ちの人々が東大寺大仏殿南大門前に至るまで長蛇の列をなした。以来、奈良国立博物館で年1回展示公開されるようになった。2021年には第73回の正倉院展が開催される。

2019年10月14日(月) ~ 2019年11月24日(日)には御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」が東京国立博物館で開催された。38年ぶりの大規模な正倉院宝物の東京公開であった。螺鈿紫檀五絃琵琶紫檀木画槽琵琶漆胡瓶、黄熟香(蘭奢待)、紺夾纈絁几褥平螺鈿背八角鏡、東大寺献物帳(国家珍宝帳)などの名品が展示された。

展示会の来歴[編集]

開催回数 開始日 終了日 目玉品 出品点数
第73回 2021年10月30日 2021年11月15日 螺鈿紫檀阮咸 55点
第72回 2020年10月24日 2020年11月9日 平螺鈿背円鏡 59点
第71回 2019年10月26日 2019年11月14日 七條刺納樹皮色袈裟 41件
第70回 2018年10月27日 2018年11月12日 平螺鈿背八角鏡 56件
第69回 2017年10月28日 2017年11月13日 羊木臈纈屛風 58件
第68回 2016年10月22日 2016年11月7日 漆胡瓶 64件
第67回 2015年10月24日 2015年11月9日 七条褐色紬袈裟,紫檀木画槽琵琶南倉101 63件

正倉院の琵琶[編集]

正倉院に保存されている琵琶の本数は六面ある[1]。うち聖武天皇の愛用品は二面である。

No 名称 倉庫 管理番号 展示(分かっている範囲)
1 螺鈿紫檀琵琶 北倉 27 15回,28回
2 螺鈿紫檀五絃琵琶 北倉 29 10回,28回,30回,67回
3 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶 南倉 101 4回,6回,16回,29回
4 紫檀木画槽琵琶 丹地画騎猟捍撥 第2号 南倉 101 2回,9回,19回
5 紫檀木画槽琵琶 丹地画山水古人捍撥 第3号 南倉 101 3回,13回,20回
6 紫檀槽琵琶 南倉 101 9回,20回

※展示の回数は、分かっている範囲で表示しているため、漏れはあり得る。

関連事項[編集]

蘭奢待

  1. 奈良国立博物館(1977)『正倉院展の歴史』