慰安婦問題の日韓合意

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慰安婦問題の日韓合意(いあんふもんだいのにっかんごうい)とは、2015年12月28日日本政府韓国の当時の朴槿恵大統領政権の間で結ばれた慰安婦問題の解決について発表された合意のことである。

概要[編集]

具体的には慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。

  • 日本政府は日本軍の関与と政府としての責任を認め、韓国の元慰安婦を支援する慰安婦財団に10億円を拠出する。
  • 日本政府の当時の首相である安倍晋三が「心からのおわびと反省」を表明する。
  • 韓国はソウル日本大使館前にある慰安婦少女像について「問題解決されるように」努力する。

日本は合意を履行したが、韓国は合意を履行しておらず、そのため少女像は撤去されていない。それどころか2016年12月には釜山の日本総領事館前にも設置されている。2017年5月に韓国で文在寅政権が発足すると、韓国政府の作業部会は2017年12月27日に合意交渉に問題があったとする検証報告書を発表した。そのため韓国側は「合意では慰安婦問題が解決できない」と表明して合意を一方的に破り、これに対して日本政府は履行の実現を求めており、外務大臣河野太郎も「(合意の変更は)断じて受け入れられない」と表明した。

2018年1月、文在寅は合意交渉の検証を踏まえ、公式合意と認める一方で「誤った問題は解決しなければならない」と語った。2月3日までには外務省の調査で2015年12月以降に韓国国外で新たに6箇所に朝鮮半島出身者の慰安婦像や碑が建てられたことが判明した。日韓合意の前にはアメリカ8箇所、カナダ1箇所の計9箇所であり、合意後はアメリカ4箇所(ニューヨークサンフランシスコ)、ドイツオーストラリアで1箇所ずつとなっている。

日本が拠出した10億円を元手にして元慰安婦への現金支給事業を担う「和解・癒やし財団」も設立されたが、2019年7月までに財団は正式に解散している。

なお近年、韓国軍のベトナム戦争におけるライダイハン問題が取り上げられ、第2の慰安婦問題としてクローズアップされているが、日本に慰安婦問題を執拗に認めさせながら、韓国はこの問題を全く認めず無視しており、自国の軍隊のことは無視するという矛盾した行動をとっている。

従軍慰安婦問題関連の年表[編集]

  • 2011年
  • 2012年
    • 8月14日 - 韓国の大統領・李明博天皇の訪韓に関し、「訪問したければ、独立運動家らに心からの謝罪が必要である」と発言。
    • 8月15日 - 日本政府が韓国政府に抗議し、当時の日本国内閣総理大臣野田佳彦が「理解に苦しむ発言で遺憾だ」と批判し、自民党の安倍晋三が「常軌を逸している」と発言する。
    • 8月21日 - 韓国の金星煥外交通商相が「当然謝罪すべき部分が(天皇に)あれば謝罪しなければならない」と日本に対して反論する。
  • 2013年
    • 2月25日 - 朴槿恵政権が発足する。
  • 2015年
    • 12月28日 - 日韓両外相が慰安婦問題解決に関する政府間合意を発表する。
  • 2016年
    • 7月28日 - 日韓慰安婦合意に基づき、元慰安婦らの支援事業を担う韓国の「和解・癒し財団」が発足する。その後、日本政府が10億円を拠出する。
    • 12月30日 - 韓国市民団体が釜山の日本総領事館前に少女像を設置する。その後、対抗措置として日本政府が駐韓大使を一時帰国させる。
  • 2017年
    • 3月10日 - 朴槿恵が大統領を罷免される。
    • 5月9日 - 日韓合意の無効化と再交渉を公約に掲げた文在寅が韓国大統領選で当選する。
    • 12月27日 - 韓国外務省の作業部会が「元慰安婦の意見を十分に集約しなかった」とする合意の検証結果を発表する。
    • 12月28日 - 文在寅が「合意では慰安婦問題が解決できない」と表明する。
  • 2018年
    • 1月9日 - 韓国の外相・康京和が10億円を自国予算で置き換え、日本拠出分は凍結するとの新方針を発表する。さらに再交渉は求めないと表明する。
    • 11月21日 - 韓国政府が財団の解散決定を発表する。
  • 2019年
    • 2月上旬 - 韓国国会の文喜相議長がアメリカメディアにおいて天皇による謝罪で慰安婦問題が解決すると発言する。
    • 2月8日 - 日本の外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が在日韓国大使館幹部に対して抗議する。
    • 2月9日 - 長嶺安政駐韓大使が韓国外務省の趙顕第1次官に抗議する。
    • 2月11日 - 文喜相議長がアメリカ・ワシントンで自身の発言について問題無いとの認識を表明する。
    • 2月12日 - 安倍晋三首相が衆議院予算委員会において「甚だしく不適切な内容を含み極めて遺憾」と非難する。

外部リンク[編集]