国鉄ホキ800形貨車

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国鉄ホキ800形貨車(こくてつホキ800がたかしゃ)とは、日本国有鉄道1958年(昭和33年)から製造した30トン積みの貨車ホッパ車)である。

概要[編集]

バラスト輸送・散布用の貨車で、営業用貨車の形式を称するが、保線作業に供する事業用である。

1987年の国鉄分割民営化時にはJR旅客会社全社に継承されたが、北海道・東海・四国・九州に継承された車両は全て除籍されている。

派生形式[編集]

931形[編集]

ホキ800の台車を標準軌用のTR8000・TR8006・TR8006Bに変更して新幹線保線作業用としたもの。1967年に3両が軌道敷内散水用タンク車の936形へ、12両が在来線用の台車に交換してホキ800形へと編入されている。

バラスト軌道区間を有する東海・西日本に継承されたが、車籍を既に抹消されており保線機械扱いとなっている。

936形[編集]

雪害対策軌道敷内散水用タンク車。931形に水タンクを搭載し、積雪時には水を撒いて消雪作業に用いられた。

沿線へのスプリンクラー設置区間拡大により用途を失い、1979年に廃車。

譲渡車[編集]

国鉄・JRで廃車後、私鉄・三セクへと譲渡された車両がある。

弘南鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。国鉄清算事業団から2両が譲渡され、1両ずつ弘南線と大鰐線の保線用として使用されている。

八戸臨海鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。青い森鉄道の保線作業を八戸臨海鉄道青森県から受託することになったためにJR東日本から4両が譲渡された。

小坂精錬小坂鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。1両が国鉄清算事業団より譲渡された。

上信電鉄[編集]

形式は変わらずホキ800形。1両がJR東日本より譲渡された。

小湊鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。関東鉄道から譲り受けた2両とJR東日本から譲り受けた2両が在籍している。

伊豆箱根鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。国鉄清算事業団から4両を譲り受け、駿豆線での保線作業に用いられている。

大井川鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。JR東海から2両を譲り受けた。

遠州鉄道[編集]

形式は変わらずホキ800形。JR東海から3両を譲り受けた。

名古屋鉄道[編集]

形式はホキ80形。JR東海から7両を譲り受け、3両が犬山検車区、もう3両が豊明支区、1両を喜多山検車区に配置。犬山・豊明配置の6両はEL120形のプッシュプルとなった際に先頭の機関車から後部の機関車を総括制御するための引き通し線が通されている。

なお喜多山配置の1両は検車区が尾張旭へ移転した際に廃車となっている。

同型車[編集]

一部の私鉄で同型車を製造・運用していた。

東武鉄道[編集]

形式はホキ1形。10両が製造され、廃車後は上毛電気鉄道、秩父鉄道、茨城交通に譲渡された。

西武鉄道[編集]

形式はホキ81・ホキフ71形。西武秩父線建設時のバラスト輸送と保線作業用にホキ81形が10両、ホキフ71形が4両製造された。ホキフ71は国鉄にはない車掌室付であった。

国鉄直通認可を受けており、中央本線酒折駅に姿を見せることもあったが、晩年は西武線内専用となっていた。

2008年廃車。

相模鉄道[編集]

形式は国鉄と同じホキ800形。2両が製造され、2002年廃車。

富士急行[編集]

形式は国鉄と同じホキ800形。1両が製造された。

富山地方鉄道[編集]

形式はホキ80形。2両が在籍するが、1両のみ自社発注車で、もう1両は国鉄清算事業団からの譲渡車である。

近江鉄道[編集]

形式はホキ10形。3両が製造されたが、牽引車が電気機関車から電車の220形に変更されてからはホキ11・13の2両を保線に使用してホキ12は運用されない状態が続いていた。ホキ12は2019年1月に廃車のため搬出された。

京王帝都電鉄[編集]

形式はホキ280形。京王相模原線建設の際に日本鉄道建設公団が発注した車両を京王が譲り受けたもの。1995年に廃車。

京浜急行電鉄[編集]

形式はホ50形。4両が製造され、1986年に廃車。

阪神電気鉄道[編集]

形式は161形。1両が製造され、国鉄のホキ800よりも積載量が5トン少ない25トン積みとなっていた。1988年廃車。

神戸電気鉄道[編集]

形式はクホ760・サホ760形。各1両ずつが製造され、国鉄のホキ800よりも積載量が14トン少ない16トン積みで、クホ760には運転台がついていた。2011年廃車。

山陽電気鉄道[編集]

形式はクホ70・サホ80形。各2両ずつが製造され、クホ70には運転台がついていた。1990年廃車。