南中

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南中(なんちゅう)とは、天球上で天体が真に来て、天の子午線を通過すること。

原理[編集]

地球西から自転している。そのため、地球に隠れて、地平線の下にあった天体も、その地点が自転して東に移動すると、東に昇ってくる。そして、さらに東に移動すると、ちょうど地面とは反対側にその天体がくる瞬間がやってくる。これが南中である。このため、南中のときにその天体の高度は最も高くなり、これを南中高度という。もっとも、南半球では逆になり、天体は側を通るため、南中するのも北になる。これも南中という。なお、赤緯がその地点の緯度より高い天体では、天体が天頂より南側を通らない。この場合も、一番天頂より南側に近づく瞬間があり、そのときに天体の高度が最も高くなるので、そのときを南中とする。

太陽[編集]

太陽が南中するときは、最も太陽から受けるエネルギー量が多くなる。このため、気温もこのときに高くなるはずだが、地面が温まってから空気が暖まるまでには時間がかかるので、実際には南中から2、3時間すぎた頃に最も気温が高くなる。ちなみに、太陽が南中する時刻は正午に近くなるが、その地域が標準時子午線より東にあれば太陽は正午前に南中することが多く、標準時子午線より西にあれば太陽は正午過ぎに南中することが多くなる。なお、標準時子午線上にいても、毎日正午に南中するわけではなく、地球が公転した分だけ余計に自転することでようやく(あるいは公転したぶん、より少ない自転でも)南中するため、南中時刻は変化する。