八幡浜市乳児死体遺棄事件

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

八幡浜市乳児死体遺棄事件(やわたはましにゅうじしたいいきじけん)とは、2015年7月愛媛県八幡浜市で発覚した乳児の死体遺棄事件である。この事件で乳児5名の遺体が発見され、母親とされる無職のY(当時34歳)が死体遺棄容疑で逮捕された[1]

概要[編集]

八幡浜市の女性Yに対しては事件発覚前から不審な行動が市に連絡されていた[1]2012年9月6日、市民から民生委員に対して「(Yが)8月臨月のようにお腹が大きかった。へこんだのに子供の姿が見えない」と問い合わせがあった[1][2]。市はYの長男が通う学校の職員に自宅を家庭訪問した際の様子を照会して出産の有無を事実確認した職員に対しYは「卵巣が悪く、飲んでいた薬のせいでお腹が膨らむ」と妊娠を否定していた[1][2]。2015年5月、民生委員が以前からYに妊娠した様子が複数回あったのに赤ん坊の姿が見えないとして、八幡浜市に事実確認を要請した[1]。そのため5月以降から計3回、妊娠を疑われたがYは否定していた[1]

そして7月14日、八幡浜市江戸岡2丁目の自宅アパートから乳児と見られる5人の遺体が発見され、Yは死体遺棄の容疑で逮捕された[3]。5人の遺体はいずれも何重かのビニール袋に入れられ、口が縛られていて周囲に臭いがもれないようにしたと見られている[3][4]。一部には胎盤様のものも入っていた可能性があり、Yによると5人の内何人かは死産であったと供述している。

物置場で見つかった4遺体については遺棄の特定が困難なこと、少なくとも死後3年前後経過していると見られることから(一部白骨化、腐乱して性別不明の遺体もあり[5])、死体遺棄の罪に問われない可能性もある(死体遺棄の公訴時効は3年である)。ただし自宅の押入れから見つかった女児の遺体は2015年7月3日に出産してYがすぐに殺害したものと見られている[5]。いずれの5遺体に関しても出生届は提出されていない[3]

またYの供述では、一部遺体に関して自ら殺害したことを認める供述をしており、「乳児の口をふさいだ」と供述している[3][4]

被疑者に関して[編集]

被疑者Yは八幡浜市出身で、地元の県立高校を卒業後、20代前半で結婚して長男をすぐに出産したが間もなく離婚[5]、その後八幡浜から松山市に出てもう1人子供を産み、養護施設に預けたという[6]。現在は10年ほど前に引っ越してきたアパートに父と弟、中2になる長男と暮らしていた[5]。家族仲は悪くなく、長男の授業参観にも参加したり、父親と買物をしたりする姿が目撃され、夜の仕事をしていたとする証言もある[5]。近隣住民からは2006年から「お腹が大きくなるのに、なぜか赤ん坊をみかけないのでおかしい」と噂になっていたという[5]。5人の遺体に関してなぜこのようなことをしたのかという問いかけに対し「いらない子だったから」などと答えているという[5]

2015年9月11日、生後間もない女児1人を殺害したとして松山地検は殺人罪でYを追起訴した。

脚注[編集]

  1. a b c d e f 日本経済新聞、2015年7月22日、35面
  2. a b 日刊スポーツ、2015年7月22日、18面
  3. a b c d 朝日新聞、2015年7月23日、39面
  4. a b 毎日新聞、2015年7月23日、27面
  5. a b c d e f g 日刊ゲンダイ、2015年7月23日、5面
  6. 夕刊フジ、2015年7月23日、3面