全日本海員組合

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全日本海員組合(ぜんにほんかいいんくみあい)は、海事関連産業で働く船員と、それらの分野で働く船員以外の労働者で組織する産業別労働組合。略称は海員JSU[1]海員組合全日海とも。国際運輸労連(ITF)、日本労働組合総連合会(連合)、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)、全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟)に加盟している。

概要[編集]

日本にはほとんど類例のない個人加盟の産業別単一労働組合[2]。敗戦直後の1945年10月5日に結成され[3]全国民主主義労働運動連絡協議会(民労連)、全日本労働組合会議(全労会議)、全日本労働総同盟(同盟)の結成で主導的役割を果たした。前身の日本海員組合(1921~1940年)以来、一貫して労働運動の最右派に位置するが、船主団体と統一交渉、統一労働協約を結び、1960年代から1970年代にかけて賃上げや労働協約改定を要求する長期ストを行うなど、戦闘的な組合として知られている。2021年現在、日本人組合員約3万人、非居住特別組合員(フィリピンなどの外国人船員)約5万人が加入している[1]

2017年12月25日、長崎県内で離島便を運航する九州商船で会社側の合理化策に反発して無期限ストライキを決行した。会社側が合理化策を撤回したため即日解除した[4]

本部所在地は東京都港区六本木7-15-26。

年表[編集]

  • 1896年1月 - 船舶職員(高級船員)の労働団体として海員倶楽部が結成される。
  • 1907年3月 - 海員倶楽部が社団法人海員協会に改組される。
  • 1921年5月 - 普通船員の労働団体として日本海員組合が結成される。日本海員同盟友愛会をはじめとする23団体2万人が結集。
  • 1938年10月 - 海員協会と海員組合が合体して皇国海員同盟が結成される。
  • 1940年9月 - 日本海員組合が解散する(海員協会も11月に解散)。
  • 1941年6月 - 日本海運報国団が結成される。第二次世界大戦中、30万人以上の船員が日本軍に徴用され、6万人余りの船員が戦没[5]
  • 1945年10月 - 船舶職員・普通船員の別を問わない個人加盟の産業別労働組合として全日本海員組合が結成される。4万人余りが参加[3]
  • 1946年8~9月 - 人員整理反対闘争に勝利。中闘派(左派)と執行部派(右派)が対立。のち執行部派が中闘派を除名[6]
  • 1949年12月 - 国際自由労連(ICFTU)に加盟[7]
  • 1950年7月 - 日本労働組合総評議会(総評)の結成に参加。
  • 1952年12月 - 全繊同盟日放労全映演とともに「総評指導方針の批判」を発表し、総評の階級闘争主義、政治的偏向を批判(4単産声明)。
  • 1953年7月 - 総評を脱退。
  • 1954年4月 - 全繊同盟・全映演・総同盟とともに全日本労働組合会議(全労会議)を結成。
  • 1960年11月 - 民社党支持を大会決定[8]
  • 1964年11月 - 全日本労働総同盟(同盟)の結成に参加。
  • 1965年11~66年1月 - 賃上げと労働協約改定を要求し4波の停船スト[9]
  • 1972年4~7月 - 「賃上げ・人間性回復・合理化対策」のスローガンを掲げた92日間の長期ストを闘い、要求を実現[10]
  • 1973年11月 - 特定政党支持の廃止を大会決定[8]
  • 1975年4月 - 全国港湾労働組合協議会(全国港湾)との共闘を確認[8][11]
  • 1989年11月 - 友愛会議からの脱退を決定[12]

脚注[編集]

  1. a b 全日本海員組合について 全日本海員組合
  2. 「産業別団体交渉」「産業別労働協約」を実現している労働組合を「産業別労働組合」であると捉えた場合。日本金属製造情報通信労働組合(JMITU)など個人加盟制の産別組織は複数存在する。兵頭淳史「産業別労働組合地域支部による外国人労働者の組織化―静岡県西部地域における金属産業労組の取り組みを中心とする考察―」『専修大学社会科学研究所月報』No.597、2013年3月。
  3. a b 組合略史 全日本海員組合
  4. 九州商船:スト解除 26日は一部除き通常運航 毎日新聞(2017年12月25日)
  5. 全日本海員組合編『海なお深く――太平洋戦争船員の体験手記』全日本海員福祉センター、1986年
  6. 国鉄・海員の人員整理反対闘争[労]1946.9.4 『社会・労働運動大年表』解説編
  7. 海員組合(全日本海員組合)[労]1945.10.5 『社会・労働運動大年表』解説編
  8. a b c 主要年譜 全日本海員組合
  9. 海員組合スト[労]1965.11.2 『社会・労働運動大年表』解説編
  10. 海員組合スト[労]1972.4.14 『社会・労働運動大年表』解説編
  11. 全港湾のあゆみ 全日本港湾労働組合
  12. 法政大学大原社会問題研究所編『日本労働年鑑 第60集 1990年版』労働旬報社、1990年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]