井上光晴

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井上光晴(いのうえ みつはる、1926年5月15日-1992年5月30日)は、作家。

人物[編集]

福岡県久留米市生まれ。高等小学校中退。太平洋戦争後、日本共産党に入党、のち除名される。1960年の「死者の時」で名をあげ、62年『地の群れ』で芥川賞候補になるが、長いということと、新人ではないという理由で落選し、選考委員の石川淳は、この双方に納得できないと書いたが、井上は生涯、文学賞をとることはなかった。しかし『丸山蘭水楼の遊女たち』など、作品はよく売れたようである。被差別など左翼的な主題で描くことが多かった。娘に、直木賞作家の井上荒野がいる。

1977年から「文学伝習所」として生徒を集めて文学を教える教室を持ったが、多く既婚女性が集まり、井上と関係を持ったとされている。1966年ころから、妻や娘がある身で瀬戸内晴美と不倫関係にあったことを、没後、娘の井上荒野が「あちらにいる鬼」で暴露し、存命だった寂聴も肯定した。

死没までの様子は原一男の「全身小説家」に描かれており、伝習所での様子もここから分かる。