マグニチュード

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マグニチュードとは、ある強さをマグニチュードを 0 として、その強さが n 倍になったらマグニチュードが 1 増えるという「対数的なものさし」である。星の明るさを表す「等級」も、英語ではマグニチュードである。
具体例としては、以下のようなものがある。

  1. 地震そのものの規模を表す単位。記号はM。ある地点での地震の大きさを表すのは震度である。
  2. 津波の大きさを示す尺度である。

概要[編集]

マグニチュードは地震によって放出されたエネルギーの大きさ(断層のずれ方)に対応している。また、震度が大きくても震源が浅い場合はマグニチュードが小さく、震度が小さくても、広範囲に広がり、震源が深い場合は大きくなることがある。

計算式[編集]

マグニチュード(M)は震央から100km離れた地点に置かれた、固有周期0.8秒、倍率2800倍の地震計に記録された最大振幅(a)をマイクロメートルを単位にして測った値の常用対数と定義している。

例えば最大振幅 a = 10000のとき、つまり最大振幅が10mmのときは、

マグニチュードは4となる。

マグニチュードが大きくなると地震により発散されるエネルギー( E )も大きくなり、次の式で表される。

( E の単位はジュール)

例えばM = 4のとき、

また、M = 5のとき、

さらにM = 6のとき、

以上より、マグニチュード4とマグニチュード5の比較をすると、

この式から、マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは  

倍(約32倍)


また、マグニチュードが2大きくなるとエネルギーが1000倍になることがわかる。

その他[編集]

マグニチュードが1大きくなると約32倍のエネルギーを持つ地震になる。そのため、関東大震災東日本大震災を引き起こした地震のエネルギーの差は約32倍であると考えられる。

津波[編集]

津波の大きさを示す尺度として地震と同じマグニチュードmが定義されている。

津波のマグニチュード
規模階級m 津波の高さH (m) 全エネルギー×1022(erg) 被害程度
0 1 0.25 非常にわずかの被害
1 2 1 海岸およびの被害
2 4~6 4 若干の内陸までの被害や人的損失
3 10~20 16 400km以上の海岸線に顕著な被害
4 30 64 500km以上の海岸線に顕著な被害

理論[編集]

「強さが n 倍になったらマグニチュードが 1 増える」で、強さが X であったら
 M = lognX
ということになる。ただし自然対数の底は自然定数 e であり、常用対数の底は 10 である。じゃあ、どうやってマグニチュードを関数電卓で求めたらいいかというと、  lognX = log10X / log10n = ln X / lnn
という式を使えばよい。地震だったら常用対数なので単純 log キーを使い、津波だったら ln を取って ln 2 で割ればいい。つーか 2 のべき乗は 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024, 2048, 4096 …… と頭に入って「いるからコンマいくつまで気にしなければ電卓すらいらない。
ウェーバー・フェヒナーの法則が頭に入っていると、「ジャワカレーの中辛をマグニチュード4とすると、底を2としてマグニチュード8強くらいの波が来たな」っつー感じの話ができる。「するってぇと、ジャワカレーの甘口がマグニチュード3、バーモントカレーが2、その下になると『カレーの王子様』とかかな?」「あぁ、その下になるとビーフシチューとかクリームシチューとかだな」。それが感覚的に身につくとスパイスの量の加減とかに役立つかもしれない。

参考文献[編集]

  • 渡嘉敷哲ほか『新ひとりで学べる11地学ⅠB』清水書院

脚注[編集]