ホトケドジョウ

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ホトケドジョウ(英:Lefua echigonia)とは、コイ目フクドジョウ科に分類されるドジョウの一種である。

形状[編集]

全長8cm。体は円筒形で細長い。

口髭は上唇から3対、鼻孔から1対の計4対8本ある。体色は、茶褐色か赤褐色で黒点が散らばっている。

ナガレホトケドジョウに似ているが、ナガレホトケは顔に黒い線があり、尾鰭に斑紋がある。またナガレホトケドジョウよりも本種は人里に近いところに生息する。

生態[編集]

日本の固有種で、東北地方~近畿地方の湧き水が流れる小流や山地の水田や用水路などに生息する。水草や石がある場所を好む。

トビケラ、チョウ目、ハエなどの水生昆虫を食べる[1]。27℃以上になると弱る。

産卵期は3月下旬から6月上旬ころ。2~3匹のオスが1匹のメスを追尾して水草に産卵・放精する。繁殖期に複数回産卵する。

2cm以下の個体は底で生活し、1年で成熟する。生まれてから1年絶つと3~4cmほどになり、2年で4~7cmになる。

他の季節に比べて、冬場は成長速度は遅くなる[2]

人間との関係[編集]

アクアリウムで飼育されることもある。ドジョウよりも繁殖が容易である。

湧き水が無くなったり、用水路がコンクリート化したため、個体数が減っている。

脚注[編集]

  1. 花井隆晃、中西彬、伴邦教、服部翔吾、田頭直樹、谷口 義則「愛知県の谷津田に生息するホトケドジョウの食性」、『保全生態学研究』第28巻第2号、日本生態学会、2023年doi:10.18960/hozen.2210
  2. 青山茂「ホトケドジョウとナガレホトケドジョウの成長の比較例」、『伊豆沼・内沼研究報告』第8巻、2014年、 45-50頁、 doi:10.20745/izu.8.0_45