アメ女

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アメ女(あめじょ)[1]は、沖縄、特に米軍基地近くの地域で、アメリカ兵と交際する女性を指す言葉。

概要[編集]

語源[編集]

沖縄のことばでいう「アメリカじょうぐ」に由来するとされる[2]。沖縄で「じょうぐ(ー)」[3]と言えば、「〇〇じょうぐー」で「〇〇が好きな人」を意味する[4][5]

アメ女が生まれる背景[編集]

大久保潤は「『門中』という男系子孫を重視する血縁集団が存在したり、位牌は長男が引き継ぐなど、男尊女卑文化ともいえる沖縄社会を敬遠して米兵に憧れる女性が多くいる」とする[6]

黒女[編集]

狭義のアメ女は白人アメリカ兵と交際する女性であるが、類語として黒人アメリカ兵と関係を形成する女性もアメ女と見なされる。しばしば黒女(こくじょ)とよばれる[7]。なお、沖縄の米兵にはアジア系はそれほど多く含まれていない[8]

その他[編集]

アメ女という単語にプライドの拠り所、抵抗、社会的差別というラベルを与え直すことにより、(この単語は)蔑称を与えられた人たちによって受け容れられた(“異なる”という勇気と同様に)とする文献もある[9]

注釈[編集]

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  1. 武田亜沙美 「米軍占領とコザの発展 ―女性の暮らしぶりから見たコザの街―」『2007年度日本・アジア文化調査実習報告書 沖縄フィールド・リサーチII』 島村恭則, 日高水穂、秋田大学教育文化学部、2008年3月18日、103-110頁。
  2. 野入直美「【《UH・UR合同シシポジウム》報告】映像表象における沖縄の「アメラジアン」」、『国際琉球沖縄論集』第2号2013年3月29日、 53-75頁。
  3. 漢字表記:上戸
  4. 『沖繩語辞典』 国立国語研究所、大蔵省印刷局〈国立国語研究所資料集5〉、1980年1月10日、456頁。
  5. 『日本方言大辞典』 尚学図書、小学館、1989年5月20日、1151頁。ISBN 4-09-508201-1
  6. 大久保潤、篠原章 『沖縄の不都合な真実』 新潮社〈新潮新書〉、2015年、65-66頁。ISBN 978-4-10-610601-9
  7. kokujo”. encarta.msn.com. 2009年11月2日確認。
  8. 難波 2014, p. 218.
  9. Maria Hohn、Moon Seungsook 『Over There: Living with the U.S. Military Empire from World War Two to the Present』 Duke University Press、Durham、2010年、195頁。ISBN 978-0-8223-4827-6

参考文献[編集]

  • 難波功士 『米軍基地文化』 新曜社〈叢書 戦争が生みだす社会 III〉、2014年3月15日。ISBN 978-4788513723
  • 宮西香穂里 『沖縄軍人妻の研究』 京都大学学術出版会〈プリミエ・コレクション〉、2012年11月9日。ISBN 978-4876982370