アジメドジョウ

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アジメドジョウとは、ドジョウ科の魚類である。

形状[編集]

体長は70-100mm。背鰭はやや後方にある。

尾鰭付け根の黒紋は両方との明瞭。口は吸盤状。

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アジメドジョウは形状的に2タイプに別れる。両タイプの遺伝子的な差は同種内に収まる。

斑紋収束型 (G型)
L5は直線的。尾鰭横帯は 1-3列。
腹部には紋は無い。
斑紋分散型 (S型)
L5 は波状か数珠状の斑紋列。尾鰭横帯は3-8列。
腹部にも斑紋列がある個体もいる。

生態[編集]

本種は礫底の河川中流から上流部の瀬や急流域に生息する。

春から夏にかけて、肉厚の吸盤唇を使い河床の藻類や水生昆虫を食べる。

本種は越冬のため秋に潜流の湧水域に移動し、早春になり、水温が8-10℃になると産卵する[1]

分類[編集]

本種は、丹羽弥により記載された。

Nalbantは本種を模式種としてアジメドジョウ属(Niwaella)を新属記載した。

かつてはアジメドジョウ属に分類されていたが、現在はシマドジョウ属とされる[2]

人間との関係[編集]

アジメドジョウは、食用魚として珍重される。

利用[編集]

アジメズシや佃煮、お吸い物などにして食用になる。

減少[編集]

分布域全域で亜個体数の減少が見られるものも、全体の個体数の傾向は安定していると考えられる。
本種の生息地は、河川流域の開発、ダム建設、河道整備による土砂の増加、水路の閉塞、水質汚 染の結果、少なくなっている。
また、食用の乱獲も脅威となっている。
本種は2007年2014年の日本のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類(Vulnerable)」と評価された。

出典[編集]

  1. 藤井亮吏、田口錠次「アジメドジョウの人工産卵床と産卵水温」、『岐阜県河川環境研究所』第57巻、2012年、 15-21頁。
  2. Perdices, A.; Bohlen, J.; Šlechtová, V.; Doadrio, I. (2016). “Molecular Evidence for Multiple Origins of the European Spined Loaches (Teleostei, Cobitidae)”. PLoS ONE 11 (1). http://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0144628&type=printable. 

関連項目[編集]

  • ドジョウ