西養寺本堂 (金沢市)

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

西養寺本堂(さいようじほんどう)は、石川県金沢市東山の仏堂。金沢市指定文化財。

小屋裏に残る棟札から、建立年代は江戸時代の天明3年(1783年)と判明し、正面の向唐破風造の向拝虹梁に見られる細部様式も、その頃の特徴を示している。梁間7間、桁行8間の規模で、屋根は小屋裏の痕跡から、もとは切妻造、妻入であったことが推測され、現状の切妻屋根を基本とし前庇を付け加えた変則的入母屋造妻入屋根は、金沢の本堂建築における屋根形態の変化を知る上で貴重である。また、近世の天台宗寺院の遺構として、金沢市内では数が少なく、鐘楼とともに棟札から建立年代が明確であり、卯辰山麓寺院群の中でも、境内の歴史的景観がよく保たれており、江戸時代以来の雰囲気を感じることができる。市の文化財に平成7年4月11日指定された。