福勝寺本堂

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福勝寺本堂(ふくしょうじほんどう)は、和歌山県海南市下津町橘本の仏堂。重要文化財。

桁行三間、梁間三間、単層、寄棟造、本瓦葺で、様式からみて15世紀後期頃の室町建築とみられる。中世の標準的三間堂であり、細部の造りも時代的特色がよくあらわれている。内部は正面側一間を外陣とし、後方二間を内陣とし、この間に引き違いの戸があった痕跡がある。斗栱は和様の三つ斗で中備に菱形の間斗束を納め、一軒繁垂木で、鏡板天井である。須弥檀は後代に塗り替えているが、高欄以外は当初のものと見られる。厨子は葵の紋が入る江戸時代のものである。この他に修験者が残した墨書(最古のものは永正9年(1512年))が多数残り、東面は求聞持堂と接続し、鐘楼が付随する。重要文化財に平成3年5月31日指定された。