シラバス

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シラバス (英:Syllabus)は大学等において教員が授業の到達目標、科目のテーマ、授業計画、テキスト・参考書成績評価基準を示す文書である。

概要[編集]

日本の大学におけるシラバスは1990年代に急速に普及した。2002年時点で、全国669大学(全大学の約97%)で使われていた。2004年では99%の大学でシラバスが作成されていた。その後、2008年4月に施行された「大学設置基準の改正」により、事実上シラバス作成が義務化された。多くの大学ではシラバス検索システムを構築している。

大学設置基準における位置づけ[編集]

  • (成績評価基準等の明示等)
  • 第二十五条の二 大学は、学生に対して、授業の方法及び内容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。
  • 2 大学は、学修の成果に係る評価及び卒業の認定に当たつては、客観性及び厳格性を確保するため、学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに、当該基準にしたがつて適切に行うものとする。

シラバスの役割[編集]

  1. 学生が授業を選択する際の参考資料
  2. 担当教員と学生との契約書
  3. 学習効果を高めるための資料
  4. 教員が授業をデザインするための計画
  5. 何をどのような順番で扱うかの授業全体の見取り図
  6. 授業改善のための資料
  7. 参考資料の案内
  8. 欠席した場合の減点要素や影響度を示す資料

語源[編集]

1650年には一連の講義の目次の意味であった。ラテン語の「syllabus」(リスト)に由来する。由来の不明なギリシャ語「sittybos」(羊皮紙でできた書籍ラベルまたは表題紙)の誤読とされている[1]

課題[編集]

中央教育審議会はシラバスに関して、国際的に通用させるための留意事項を示している[2]

  • 各科目の到達目標や学生の学修内容を明確に記述すること
  • 準備学習の内容を具体的に指示すること
  • 成績評価の方法・基準を明示すること
  • シラバスの実態が,授業内容の概要を総覧する資料(コース・カタログ)と同等のものにとどまらないようにすること

中央教育審議会はシラバスが示されていても、実際には学生が事前学習を行っていないことを課題としている[2]

[編集]

  1. syllabus (n.)Online Etymology Dictionary
  2. a b 中央教育審議会(2008)「学士課程教育の構築に向けて」文部科学省