準天頂衛星システム

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準天頂衛星システムQZSS)とは、日本による測位衛星システム(GNSS)の名称である。準天頂軌道[注 1]に投入されるため準天頂衛星システムと呼ばれる。また、システムの中枢を担う準天頂衛星に対しては「みちびき」という愛称がつけられており、システム全体の愛称としても使用されることがある。

概要[編集]

GPSのように地球上すべてを網羅することはなく、日本からオーストラリアまでをカバーする測位衛星システムである。日本においては自前のGNSSがなく、日本の領域をカバーするGPSに依存している状態であった。一方、GNSSは社会インフラ、安全保障上重要なものであり、それを他国のシステムに依存するということは課題でもあった。また、日本は急な山が多く、山間部では満足な衛星測位ができないことも日常的であった[注 2]

これらの課題から日本上空に常に位置するような衛星を用意し、常時観測できるような体制を整えるべく構築されたのが準天頂衛星システムである。

QZSSは常に日本上空の天頂に位置するよう複数機の衛星により構築されており、QZSSとGPSなどの衛星を合わせて受信することでそれぞれを補完することも可能である。

なお、QZSSの特徴として、センチメーター級測位補強情報を無償提供している点である。これは誤差数cmと言われるほどの精度を誇っており、サービス開始当初でこのような情報の無償提供を行っているのはQZSSのみであった。

みちびき[編集]

QZSSの初号機であるQZS-1に対し、「みちびき」の愛称がつけられている。これはJAXAが愛称を募集してつけられた愛称であり、続く2号機(QZS-2)、3号機(QZS-3)についても「みちびき2号機」、「みちびき3号機」という愛称がつけられている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 赤道上空36,000kmに位置し、地表面に対してほとんど静止しながら地球を周回する衛星の軌道である
  2. 一般的にGNSSを利用した測量などにおいては最低でも6点から8点の衛星測位が必要とされており、障害物などにさえぎられた場合は満足な測位ができない