間引き

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間引き(まび - )とは、野菜や花の種が発芽した後、必要な数だけ残して、余分なものを抜いてしまうことを指す林業や園芸の用語である。

実例[編集]

林業での間引き
森林では間伐と呼ばれる一種の間引きが行われ、木々の無秩序な成長を防ぐことができる。
農業、園芸での間引き
野菜、果樹や花卉の成長しすぎを防ぐために摘果と呼ばれる間引きが行われる。
球根を得る目的でチューリップで花弁が摘果されるのが知られている。
養鶏での間引き
鶏卵を羽化させずに食用にしてしまうのも間引きの一種であると言える。
成長しても卵を産まない雄のヒヨコは、食肉用の品種以外では羽化してすぐに間引きされてしまう場合が多い。
牧畜での間引き
成長しても牛乳を出さない乳牛の雄は、普通は生まれてすぐに間引きの対象になる。
また、家畜が増えすぎて間引きが行われる場合もある。
人間の間引き
遊牧民族では子供が生まれて、食料がもっと必要になれば家畜を増やせば済む。子供はすぐに半人前の牧童になるので子殺しは稀である。通常の農業でも大陸ならば農地を拡張することは難しいことではない。
しかし、日本のように田畑が狭く、しかも百姓の倅は百姓になることしか認められない環境では、次男や三男にまで田畑を相続させる余裕はなく、商家や職人等の婿養子の道具にできたのも富農に限られた。従って江戸時代には子供を間引きすることが普通に行われていた。女の子は比較的間引きされない傾向があったが、それは女郎屋に売れるからであった。時代劇の木枯し紋次郎は間引きの悲劇を衝撃的に描いた作品である。
明治期にようやく間引きが減少したが、これは海外移民が行われたためであり、狭い農地が多い広島和歌山からの移民が目立った。

その他[編集]

鉄筋コンクリートの建物を建てるとき、鉄筋の一部を抜き取ったり、木造アパートを建てるときに壁から防音断熱材の一部を抜き取るのも間引きの一種だが、これらは普通、手抜きと呼ばれる。

関連項目[編集]