森友問題

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森友学園問題(もりともがくえんもんだい)は、学校法人森友学園による小学校建設計画をめぐる一連の問題である。2017年2月9日の新聞報道で発覚した。

概要[編集]

2017年2月9日付朝日新聞は、大阪府豊中市国有地が森友学園に格安で売却されたこと、売却額が例外的に非公表とされていること、この国有地に建設予定の小学校「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長が内閣総理大臣夫人安倍昭恵であることなどを報じた[1]2月17日衆議院予算委員会での民進党福島伸享の追及に対し、内閣総理大臣安倍晋三は「私や妻、事務所は一切関わっていない。もし関わっていれば総理も国会議員も辞める」と答弁、関与を全面否定した[2]2月24日、衆議院予算委員会で日本共産党宮本岳志は、国有地格安売却に際し廃棄物撤去費用算定に疑問があるなどとして、財務省に対し森友学園側とのすべての交渉記録の提出を求めたが、理財局佐川宣寿は、規則に基づき関係書類は廃棄したが処理は適正だった、と答弁した[3]

2019年8月、有印公文書変造・同行使などの疑いで大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した元理財局長の佐川宣寿ら10人を再捜査していた大阪地検特捜部は結局、再び不起訴処分とした。大阪特捜は不起訴の理由を「立証・立件は困難」と説明するが、今回、国民が求めていたのは「有罪・無罪」という判決の結果ではなく、何があったのか「真実」を知りたいということだった。しかし、大阪特捜は組織の論理を優先し、国民の負託に応えることなく捜査を終結した。これにより、森友問題に一応の終止符が打たれたことになる。

経緯[編集]

2014年[編集]

  • 4月15日 - 財務省近畿財務局が国有地の貸付契約を求めた森友学園に対し、大阪府私立学校審議会の答申前の契約は難しいと要望を断る。
  • 4月28日 - 学園が近畿財務局に安倍昭恵と籠池夫妻の3人が写った写真を提示する。
  • 6月2日 - 近畿財務局が学園に対し、売り払いを前提とした貸し付けに協力すると回答する。

2015年[編集]

  • 1月 - 私立学校審議会が「認可適当」と答申する。
  • 5月29日 - 国と森友学園が定期借地契約を締結する。
  • 9月 - 安倍昭恵が小学校の名誉校長に就任する。
  • 11月 - 安倍昭恵付政府職員が財務省国有財産審理室長に照会し、回答を籠池夫妻にファクスする。室長は学園関連の照会と認識する。

2016年[編集]

2017年[編集]

2018年[編集]

  • 1月22日 - 財務局が売却を巡る内部文書5件を保管していたことが判明する。
  • 2月9日 - 財務省が新たに20件の内部文書を公表する。
  • 3月2日 - 朝日新聞が決裁文書書き換え疑惑を報道し、野党が財務省に文書の原本提出を要求する。
  • 3月7日 - 森友学園との交渉に関与したとされる近畿財務局の職員が自殺
  • 3月8日 - 財務省が衆議院予算委員会理事会で、過去に議員に提示した文書を「原本」の写しとして提出し、書き換えの有無は継続調査中と回答する。
  • 3月9日 - 佐川宣寿が国税庁長官を辞任する。
  • 3月10日 - 安倍晋三首相が視察先の福島県で文書書き換えの有無を明らかにするため全力を挙げることを述べる。
  • 3月12日 - 麻生太郎財務相が改竄を事実上認めて謝罪する。財務省が決裁文書14件の改竄を認める。
  • 3月27日 - 佐川宣寿元国税庁長官の証人喚問が行なわれる。
  • 4月4日 - 山本真千子大阪地検特捜部長が、江田憲司に情報をリークしていたことが発覚。
  • 4月9日 - 財務省の太田充理財務局長が、同省が2017年2月に森友学園側にゴミ撤去作業の口裏合わせを求めたと認めて謝罪する。
  • 4月23日 - 特捜部が佐川宣寿を任意聴取したことが判明する。
  • 5月23日 - 財務省が森友学園側と交渉記録と改竄前の決裁文書全文を国会に提出する。
  • 5月29日 - 麻生太郎財務大臣が衆議院財務金融委員会で「書き換えられた内容を見る限り、バツをマルにしたり白を黒にしたりしたような改竄といった悪質なものではないのではないか」と述べる。午後の参議院財政金融委員会でこの答弁を修正する。
  • 5月31日 - 特捜部が佐川ら財務省関係者など38名を不起訴とする。

2019年[編集]

  • 3月6日 - 籠池夫妻が大阪地裁の初公判で無罪を主張する。
  • 3月29日 - 大阪第1検察審査会が決裁文書改竄、国有地売却問題で、佐川や財務省関係者らの「不起訴不当」議決を公表する。
  • 8月9日 - 特捜部が佐川ら10人を再び不起訴とする。
  • 10月30日 - 検察側が籠池夫妻に懲役7年を求刑する。弁護側が最終弁論して結審する。

2020年[編集]

  • 2月19日 - 大阪地裁が籠池夫妻に有罪判決を下す。
  • 3月18日 - 自殺した近畿財務局職員の妻が、佐川並びに国を提訴する。
  • 7月15日 - 大阪地裁で初弁論が行われ、国と佐川の側が請求棄却を求める。
  • 10月14日 - 大阪地裁で第2回弁論が行われ、原告側が同日までに近畿財務局の元上司の音声データを提出する。

問題について[編集]

そもそも森友問題は安倍晋三首相の夫人・安倍昭恵が森友学園とつながりがあったことが発端となった。土地の格安売却の背景に役所による首相サイドへの「忖度」が無かったのか、なども問題となっている。また、書き換えが事実なら財務大臣である麻生太郎の責任問題になる可能性もある。首相サイドは「財務省の責任」で幕引きを図ろうとしているが、自民党など与党内部からも首相などに責任を問う声が高まっている。一方で、特定の事実が新聞やテレビで報道されないことについて「報道しない自由の行使だ」とバッシングが起こる場面も見られ、国会でも賛否両論がある。

一連の問題の掘り起こしの過程で与野党や財務省、地検など、ありとあらゆる関係機関が大小様々なチョンボを見せ、最早誰の言っていることが正しいのかは一般庶民には到底理解できなくなっている。特に、元々評価が地に落ちていた財務省のイメージが更に悪化したことは言うまでもない。

社会への影響[編集]

この森友問題で多用された言葉である 「忖度」 (忖度) が2017年新語・流行語大賞で年間大賞を受賞した。

森友学園問題各関係人物[編集]

籠池家族[編集]

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死亡事件[編集]

  • 下請け会社田中造園・秋山肇(後に死亡)
  • 国有財産業務課債権管理係長 赤木俊夫(後の死亡)

野党国会議員関係者[編集]

近畿財務局の元職員4人[編集]

知識人・大学関係者[編集]

弁護士[編集]

ジャーナリスト[編集]

ジャーナリスト[編集]

他に各全国・世界の新聞社

れいわ新撰組[編集]

N国党[編集]

  • 立花孝志(党首・元国会議員・元地方議員・元NHK職員)

脚注[編集]

関連項目[編集]

  • 森友文書改ざん問題 - 2018年3月発覚の公文書偽造(改ざん)スキャンダル。
  • 加計学園問題 - 同じく報道しない自由だとか偏向報道だとかで揉めた割に「何事も無かったように」忘れられた事件(?)
  • 野田中央公園 - やはり格安で払い下げられた小学校予定地の隣の公園。

関連項目[編集]