周南市

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周南市(しゅうなんし)は山口県東部(周防中央部)の地方公共団体である。

概要[編集]

現在の中心地をなす徳山エリアは、萩毛利家の支藩であり、徳山毛利家の城下町として江戸時代以降その歴史を紡いできた。山口県の東部に所在し、人口は県東部で最大の都市である。平成29年度の市町別GDPは県内最大であり、県内で最も”稼いでいる”都市である。
県民税は他都市と公平に払っている地域に関わらず、県庁所在地である山口市に比べて県立の施設が少ない。さらに近年、県内における企業の事業拠点を当市もしくは下関市から、山口市(とくに旧小郡町)に集約する動きが活発化しており、下関市と同様に拠点性が低下している。

隣接自治体[編集]

周南市に隣接する市町
山口市 島根県
吉賀町
防府市 周南市 岩国市
下松市
光市
周防灘 周防灘
大分県
国東市
周防灘

※ 国東市は海上航路を通じて隣接。

沿革[編集]

交通[編集]

鉄道[編集]

市の代表駅である徳山駅は新幹線のぞみの停車駅である。時間帯にもよるが、速達列車の停車本数はさくら、ひかりを含めてもおおむね1時間に1本程度というレベルである。
なお、新幹線の全体の停車本数は、こだまが近年減便傾向(かつては30分に1本程度であったが、近年は1時間に1本程度)であるため、ピーク時からは大きく減少している。

バス[編集]

県の大半の地域にバス路線を抱え、他県との高速バスを運行している防長交通の本社がある。

航路[編集]

県内の港湾では唯一大分県と直結するスオーナダフェリー(徳山 - 竹田津)が徳山港を発着する。
なお、「回天」の島だった大津島との間を巡航するフェリーも徳山港を発着する。

産業[編集]

工業[編集]

当市発祥のトクヤマなど、複数の大手化学メーカーなどが工場を置いている工業地帯で、瀬戸内工業地域のなかでも重要な位置を占めている。また、2012年日本5大工業夜景の1つとなり、今では工場夜景クルーズもおこなわれており、観光産業としての規模は小さいが観光資源にもなっている。

金融[編集]

第二地銀である西京銀行本店のほか、山口銀行徳山支店、またメガバンクの支店としてみずほ銀行三菱東京UFJ銀行があり、県内の市で複数のメガバンクが支店を置いているのは周南市が唯一の例である。また野村證券と大和証券と大手証券会社上位2者も支店を置いている。しかし、昨今の金融業界の厳しさを考えると、下関市と並ぶ県内の金融の拠点としての地位は盤石とはいえない部分がある。

農業[編集]

県内のJAが合併してJA山口県が誕生するまでは、JA周南が県内で最大の規模を誇っていた。市内の須金地区では、ナシやブドウの生産が盛ん。

漁業[編集]

旧徳山市粭島は、ふぐはえ縄漁発祥の地。ふぐといえば下関を連想する人も多いと思われるが、徳山のふぐも高い評価を受けている。

マスメディア[編集]

山口放送が本社を置いている。県内初の民間放送局であり、テレビおよびラジオ放送を行っている。広島福岡日本テレビ系列のフルネット局の設置が遅れたため、日本テレビ系の基幹局に位置付けられたこともあった。

教育[編集]

高等教育機関[編集]

県東部唯一の四年制大学。1971年に東京の中央学院が徳山大学として開学させた、地方の私立大学としては伝統ある大学の1つで、私立大時代は所謂Fラン大と見なされることもあった。スポーツも盛んで例えば、レノファ山口の前身山口教員団を下し、サッカー天皇杯に県代表で出たことも珍しいことではなかった。開学以来私立大だったが、昨今の公設民営大学の公立転換の流れを受け、公立化が議論され、2022年に公立化した。
県下に3校ある国立の高等専門学校の一つ。映画「ロボコン」の舞台になったことがある。実際全国高専ロボコンで優勝した実績もある。学士号を取得できる専攻科がある。

専門学校[編集]

徳山総合ビジネス専門学校に、総合ビジネス学科、情報経理専攻科、日本語学科などの専攻がある。
以前はYICグループが、ビューティーモード専門学校など複数の専門学校を設置していたが、多くは山口市に移転。最終的にキャリアデザイン専門学校が残ったが、2021年に学生募集を中止し、同グループの山口市に属するビジネスアート専門学校を改組しそれに引き継がれることが発表された。
県内の高等教育の一翼を担う専門学校が山口市に奪われていく傾向は、かつての萩国際大学をはじめ、目面らしいことではなくなっている。周南市での高等教育機関が難易度の高い国公立大学・高専だけになってしまい、結果として、周防中央部で学ぶ機会、キャリアアップの機会は、速いペースで山口市に奪われて言っているのが実態である。

定時制・公立通信制高校[編集]

山口県では公立高校の定時制通信制課程を集約させ、県内に定時制高校があるのは山口市と下関市だけにする施策を取っている。たしかに、集約することでカリキュラムの充実を図ることができる一方、公立中学での不登校生徒への冷遇や全日制高校での中学浪人差別が著しい中、全日制高校に通学できない生徒にとって学ぶチャンスを失うことに他ならず、県民は公平に税負担をしているが、地方の時代、地方分権といった流れに明確に逆行する、地域間格差拡大、明らかに不公平な政策が大手を振ってまかり通っている。
この施策が、教育を受ける権利をないがしろにする政策であることは、福井市の1校に夜間定時制が集約された福井県を見ても明らかであり、岩国市のように隣県の定時制等に頼れない中で、県から受ける公立中等教育は山口市小郡地区への利便が良い地域が圧倒的に有利という状況がますます強化されている。

港湾施設[編集]

スポーツ施設[編集]

  • 周南市野球場(津田恒美メモリアルスタジアム)JABA徳山大会などアマチュア野球が盛ん。
  • キリンビバレッジ周南総合スポーツセンター メインアリーナの最大収容人数は約8000人。過去にはバレーボール世界大会の予選会場になったこともあるが、とくに山口国体以降、大規模な大会の誘致は県の協力を得やすい山口市のスポーツ施設(国体を開催するに当たって県が山口市に複数のスポーツ関連施設を新設したり、大規模な予算を掛けて改修したりした。県は県庁所在地である山口市を優遇するため必然的に周南市は大会誘致などにも圧倒的に不利になる)に押されて非常に厳しい状況になり、世界的大会はもちろん、全国的な大会も皆無ととなり、中国地方レベルの大会はおろか、近年は全県レベルも少なくなり、県東部地区、市レベルの大会が主体になっているのが現状である。

文化施設[編集]

  • 周南市文化会館:1980年代に完成。こけら落としで演奏をした当時のN響の奏者が、”東京に持って帰りたい”と言ったという逸話をもつほど。2020年現在県内最大のコンサートホール。
  • 徳山動物園:県内唯一の本格的な動物園。また、周南市文化会館があるエリアも含め、第二次世界大戦時空襲で焼失してしまうまでは、日本三大陣屋の一つ徳山陣屋(江戸時代後期、戸籍上であるが城に格上げされた)が居を構えていた。
  • 周南市美術博物館

出身者[編集]

  • 児玉源太郎(日露戦争で活躍した旧日本軍陸軍軍人で満州軍総参謀長をつとめた。陸軍大将)
  • 赤松克麿(国家社会主義者、衆議院議員)
  • 赤松常子(労働運動家、参議院議員)
  • 津田恒美:(旧新南陽市の飛地の和田地区出身)広島カープで炎のストッパーと言われたものの、若くしてその生涯を終える。野球殿堂入りを果たしている。
  • 長州力:旧徳山市出身だが、「長州」のリングネームを使っている。


市部 下関市 / 宇部市 / 山口市 / 萩市 / 防府市 / 下松市 / 岩国市 / 光市 / 長門市 / 柳井市 / 美祢市 / 周南市 / 山陽小野田市
大島郡 周防大島町
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熊毛郡 上関町 / 田布施町 / 平生町
阿武郡 阿武町