一昨日帰納法

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一昨日帰納法(おとといきのうほう)は数学に関する受験用語

概要[編集]

数学的帰納法の一形態であり、「帰納」と「昨日」をかけた洒落。

具体的には、P(n+2)がP(n)とP(n+1)に依存するものを指す。すなわち、

  • P(1)とP(2)の成立を示す
  • P(n)とP(n+1)が成立すると仮定してP(n+2)の成立を示す

ことによって任意の自然数nについてP(n)が成立することを示すものを指す。

さらに、数学的帰納法のうち、P(n)がP(1)からP(n-1)まですべてに依存していることを利用したものを、生まれた日(1)から昨日(n-1)までになぞらえて人生帰納法と呼ぶことがあるが、これも受験用語である。一般的には累積帰納法という。

練習問題 : 一昨日帰納法の利用
n が正の整数で、2数 x,y の和および積が整数ならば
が整数 ――― (*)

を証明せよ。

解答例は右をクリックして表示!

(証明)
nは正の整数である。
(I) n=1,2 のとき

x+y および xy はそれぞれ整数だからこれらはいずれも整数。よって、n=1,2 のとき(*)は成り立つ。
(II) n=k,k+1 (kはある自然数) のとき(*)が成り立つと仮定する。すなわち xk+yk, xk+1+yk+1 がともに整数であると仮定する。このとき、

x+y, xy, xk+yk, xk+1+yk+1 はいずれも整数であるからこれも整数。よって、n=k,k+1 ならば n=k+2 のとき(*)は成り立つ。
以上(I)(II)より、全ての正の整数nにおいて(*)は成立する。

(証明終)