ニコニコ大百科
ニコニコ大百科（ニコニコだいひゃっか）とは、未来検索ブラジルが運営する参加型オンライン百科事典サイトのことである。
概要[編集]
2008年より、サービス開始。ニコニコ動画関連サイトとして設立された。ウィキペディアやエンペディアとは異なり、編集するにはニコニコ動画のアカウントが必要で、さらにそのアカウントがプレミアム会員（優良有料会員）である必要もある。ただし、一般会員の執筆した編集内容を有料会員がボランティアで代理投稿してくれる制度もあり、一般会員は全く編集に携われないという訳ではない。
運営母体の関係から、ニコニコ動画における用語（タグやスラング、ニコニコのカルチャーなど）について取り上げている記事が多いが、「ニコニコに関する内容」でなければいけないというルールはなく、ニコニコとは無縁な記事が大半である。それでもやっぱり、漫画・アニメ・ゲーム・声優ネットスラング・ネットアイドル（歌い手・踊り手等）に関する記事が一番多い。
開設当時はオタク向け特化の百科事典という斬新さとニコ動ブームに支えられ勢力を伸ばしたが、その後は有料会員限定による人口の少なさから来る自浄能力の低さ、2chのノリ、ニコ動の衰退といった理由が重なり、極度に治安が悪くなっている。2000年代末ネット文化の生きた化石ともいえる。
ピクシブ百科事典とも類似しているが、サイトの大まかな方針が運営者によって決められているニコニコ大百科と違い、利用規定以外の方針が無い。また、タグを重視するため一行程度の短い記事も少なくない。あまりにも短く中身のない記事を立てることは「立て逃げ」として嫌われる傾向がある。
ニコニコ動画のタグと同名の記事が存在した場合、タグの横に「百」リンクが生成されることから、タグに使用されることを前提とした記事も多い（動画同士をつなぐ意味で「○○リンク」という記事名がつけられることが多い）ほか、MediaWikiの名前空間を模した「ニコニコ大百科:記事の編集方法」「日本国:国道一覧」などの記事名も存在する（コロンを使っても特殊な管理がされるわけではない）。
HTMLタグの使用が可能なため非常に凝ったデザインの記事も作ることができる。だがしかし、保存前にHTMLが整形されてしまい、一部のタグや属性は使用することができない。MediaWikiでもHTMLタグがそのまま通されているわけではないが、大百科の場合は制約がより大きいため注意が必要である。また、MediaWikiやPukiWikiに存在するテンプレート機能も存在しない。
記事には掲示板が付属していて、その項目に関して語り合う事が出来る他、有料会員に対して加筆依頼もされている（閲覧者の少ない記事だと依頼が数年以上ほったらかしにされることもあるが）。
自動リンク[編集]
自動リンクは、ニコニコ大百科での内部リンク方式である。ニコニコ大百科では、編集者がリンクを気にせずに編集できるように配慮され、記事中の文字が自動で他記事へのリンクとなる。リンク対象文字列は、最長一致検索で探査され、例えば「ニコニコ大百科記事ランキング」という文字列に対しては、「ニコニコ」でも「ニコニコ大百科」でもなく、「ニコニコ大百科記事ランキング」にリンクされる。
自動リンクには、ひとつの単語に2つ以上の記事名が含まれる際、ぶつ切りになってリンクされ、実際は当該事項の記事が存在しないにも関わらず、あるように錯覚させてしまう問題がある。これは、「シロナガスクジラ」という文字列が、シロナ・ガス・クジラの3つの記事に別れてリンクされていたことから、シロナガスクジラ現象と呼ばれている。なお、その後、シロナガスクジラが作成され、現在は「シロナガスクジラ」が正しい記事にリンクされるようになっている。
あらゆる箇所でヒットする可能性のある短い文字列（例: ある）が、あらゆる箇所でリンクされないように、当該記事が自動リンクによってリンクされないようにする設定がある。これは編集権のある利用者なら誰でもオンオフすることができるが、記事に付属する掲示板で合意を形成した上で操作することが暗黙のルールである。
なお、上にある通り、HTMLタグが使えるため、aタグを使って明示的にリンクを貼ることもできる。
テンプレート[編集]
ニコニコ大百科の記事には、ウィキペディアで言うところのAmbox風のお知らせが表示されることがある。しかし、MediaWikiで言うところのテンプレート機能は実装されておらず、HTMLソースそのままをニコニコ大百科:お知らせ表示の一覧からコピーペーストすることで実現させている。
方針[編集]
ニコニコ大百科には、ウィキペディアなどで導入されている「方針」なるものが存在しない。ウィキペディアとWikipediaという、同じ主題に対して異なる方向や態度で書かれた記事が共存することからもそれは明らかである。